配当性向とは?配当性向から読み取る企業の経営戦略 | 税理士コンシェルジュ

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配当性向とは?配当性向から読み取る企業の経営戦略

2020年6月16日
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配当性向とは、株式投資に関する指標ほひとつです。配当性向を求めることで、会社が事業で儲けた利益をどのくらい株主に還元したかを知ることができます。株式を持っている方であれば、定期的にもらえる配当金を見るうえで、配当性向は理解しておくべき大切な指標です。この記事では、配当性向について分かりやすく解説していきます。

配当金とは?

配当性向について理解するためには、まず配当金についての理解を深めておくことは助けになります。配当金とは、企業が事業で得た利益の数パーセントを投資家である株主に分配する現金配当のことです。株主は、持ち株数に応じて利益の還元を受ける権利があります。1株当たりの配当金は、「DPS(Dividend Per Share)」と呼ばれています。なお、配当金が支払われる時期や受取方法は、各企業によって異なっています。

配当金を知る指標

株式投資の配当には、「配当性向」と「配当利回り」と呼ばれる指標があります。どのような指標なのでしょうか?

配当性向とは?

配当性向とは、企業が儲けた利益のうち何パーセントを株主に「配当金」として分配するかを示す指標です。配当性向は、「配当性向(%)=配当金支払総額÷当期純利益×100」という計算式で求めることができます。もしくは、1株当たりを比較して、「配当性向(%)=1株当たり利益配当金(DPS)÷1株当たり当期純利益(EPS)×100」という計算式でも求めることが可能です。

なお、利益配当金ではなく、資本剰余金を原資とする配当は、配当性向を求める際には含めません。なぜなら、配当性向は、当期利益の中からどれだけ配当をしたかを求めることが基本となっているからです。

このように、これらの計算式で配当性向を求めるなら、儲けた利益のうち何パーセントを株主に配当として支払っているかが分かります。つまり、配当性が高ければ高いほど、株主に対して配当金を支払っていると言えます。

配当利回りとは?

配当利回りとは、株価に対して1株当たりの配当金(DPS)が多いか、それとも少ないかを知るための指標です。つまり、配当利回りが高ければ配当が高い、と判断することができます。配当利回りは株価と配当金を比較するため、「配当利回り(%)=1株当たりの配当(DPS)÷株価×100」という計算式で求めます。

配当性向は株主にとって欠かせない情報

配当性向は、主に株式投資をしている方にとって欠かすことができない情報です。なぜなら、配当性向を知ることで、その株式を購入するかどうかを判断するからです。では、投資家はどのように株式から利益も得ているのでしょうか?それには主に2つの方法があります。それは株式の譲渡による利益と受取配当金による利益の2つです。

・株式の譲渡による利益とは?
株式の譲渡による利益とは、株式が低いときに購入し、高いときに売却することの差額で得られる利益のことです。主に短期から中期にかけて保有している株の多くは、株式の譲渡で利益を得ています。

・受取配当による利益とは?
受取配当による利益とは、いわゆる配当金のことです。配当金は、各企業が設定している特定の基準日にその株式を保有している株主に受取の権利があります。企業の多くは、上期末(1年の最初半分)と期末(1年の最後)に分けて配当を支払っていますが、中には期末のみ支払っている企業もあります。

例えば、決算期が3月の企業の場合は、上記末である9月末日と決まるの3月末日に配当金を受ける権利が生じます。しかし、権利確定日に株を購入しても、配当金を受け取る権利はありません。なぜでしょうか?それは、株主として株主名簿に記載されるまでには、下部を購入してから2営業日必要とされているからです。つまり、配当金を受け取る権利を得るためには、権利確定日2営業日前まで株を購入する必要があります。

配当性向は高ければ高いほど良いものなのか?

では、配向性向は高ければ高いほど良いものと判断しても問題ないのでしょうか?配向成功が高い会社は、株主への配当が多くなります。しかし、その分、会社に残る資金が少なることも事実です。もし株主に事業がうまくいっていることをアピールするために配当を多くするのであれば、事業に回す資金が少なくなってしまいます。

つまり、事業資金が少ないということは、研究開発や人材を確保するためにコストをかけることができなくなる可能性があるということです。その結果、事業拡大が思うように進まなくなってしまうこともあり得ます。ですから、配向性向が高ければよいと一概に判断することはできません。

配当性向を低くしている企業もある!

企業の中には、意図的に配当性向を低くしているところもあります。配当性向を低くしているということは、株主への配当が少ないということです。もともと利益が少なければ、還元できる配当も少なくなりますが、意図的に低くするのはなぜでしょうか?

それは、企業に資金を残す、つまり事業の投資に回すという、いわゆる経営戦略といえます。配当性向を低くし、企業に資金を残し、それを事業拡大のために費やすなら、ゆくゆくは事業は拡大し、利益を得ることができるため、株主にとってもプラスとなります。

また、成長期の会社の場合は、事業で得た利益をすぐに株主へ配当するよりも、企業に資金を残し、会社の成長のために事業に投資する方が良いこともあります。つまり、配当性向を低くし、会社が成長するまでは、得た利益で事業を拡大させるということです。

このような経営戦略を採用するなら、株主は将来、多額の配当金を受けとることができます。逆を言うなら、配当性の高い成長期の会社は、事業投資が適切にできておらず、将来性に不安があると判断することもできると言えるでしょう。

まとめ

配当性向とは、企業が儲けた利益のうち何パーセントを株主に「配当金」として分配するかを示す指標のことです。配当性向が高ければ利益が多かった、配当性向が低ければ利益が少なかった、と判断しがちですが、必ずしもそうとは言い切れません。なぜなら、企業が成長するためには、投資が必要とされるため、株主に配当せずに、企業に資金と残していることがあるからです。特に成長期である企業であれば、配当性は低くなる可能性があります。ですから、配当性向だけで企業の良し悪しを判断することはできないと言えるでしょう。


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