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税理士の変更

税理士変更を検討するタイミングとは?

税理士の変更に適切なタイミングとは?

税理士を変更する場合、避けたい時期があります。税理士を変えるときには、この点に注意が必要です。いくら今の税理士に不満を抱えていたとしても、適切なタイミングで変更しなければ、その不満の根本的な解決には至りません。いきなり「明日から、新しい税理士に変更だ!」というわけにはいきません。

例えば、以下のような経営者の方の悩みはよく耳にします。

「最初の頃は税理士とも上手くやっていたが、今は馴れ合いになっている」
「税理士と上手くコミュニケーションが取れない」
「今の税理士はちょっと頭が堅過ぎるかもしれない・・・」
「税理士から経営の参考になるアドバイスをもらえたら助かるのだが」

こうした悩みを抱えたまま、税理士と付き合うのは苦痛ですし、会社にとってプラスなのだろうか、と疑問を覚えるのも当然です。「税理士の変更」という選択肢が、頭をよぎることもあるでしょう。

税理士の変更は、一大事のように思われるかもしれません。しかし、昨今では一つの企業が一人の税理士とだけ、ずっと付き合い続けることは、むしろ珍しいケースです。

しかし、物の売買でも、引越しでも、少しの時期のずれが、結果に大きく影響を及ぼすものですが、税理士も同様です。いざ税理士を変更する場合に良い結果を得られるよう、予め適切なタイミングを把握しておきましょう。会社のリスク対策としても有益です。

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税理士の変更を避けたほうがよい時期

税理士の変更をする場合、避けたほうが時期があります。逆にいえば、この時期以外であれば問題ないでしょう。

1、決算申告前の時期は変更を避ける

税理士は、決算申告前の時期は、申告のために1年分のデータの集計に取り掛かっています。決算対策や特別な処理などもあり、多忙な時期です。この時期の変更は避けることをお薦めします。

顧問契約が継続されるか否かは税理士にとって一大事ですが、企業側にとってもスムーズな引継ぎができるほうが望ましいことは間違いありません。落ち着いた時期に申し入れたほうが良い結果が得られるでしょう。

これまで付き合ってきた税理士のためにも、そして多忙な時期に申し入れることによる悪影響(税理士の仕事にミスが発生するなど)を予防するという面から自社のためにもなります。税理士変更に関する相談は、決算申告が終わったタイミングがよいでしょう。

2、税理士が忙しい時期は変更を避ける

上記の決算申告の時期の他にも、税理士が忙しい時期はあります。顧問税理士の業務内容や他の顧問先の決算時期にもよるので、税理士変更を申し入れる前に、忙しい時期について確認をしておくとよいでしょう。いざ変更となった場合に、引継ぎ業務などに漏れが生じては、のちのち面倒になります。

また、顧問契約解除に関する業務だからと、対応を後回しにされる可能性もあります。税理士が忙しい時期は避けましょう。

※税理士の繁忙期について具体的に知りたい方は『税理士の忙しい時期はいつ?~しっかり相談に乗ってもらうために繁忙期を把握する』をご覧ください。

税理士を変更するときの3つの注意点

税理士を変えるのは難しいことではありませんが、注意点もあります。

1、変更前に、次の税理士の候補を見つけておく

意外と忘れがちなことですが、次の顧問税理士については、あらかじめ検討を進めておきましょう。今の税理士との関係を断つことばかりに目が向いていて、いざ変更となったときに、自社で準備ができていなくては困ります。

最悪の場合、一定期間、会社に税理士がついていない期間ができてしまいます。予め次の顧問税理士を見つけておきましょう。

2、変更前に、現在の税理士との契約を確認しておく

税理士の変更をするということは、現在の顧問契約を解約するということです。解約については、契約書に条件が記載されていることがあり、原則的に従わなければなりません。

例えば「解約にあたっては数ヶ月前に申し出ること」といった条件が記載されている場合があります。契約違反とならないよう、予め確認しておきましょう。

3、変更前に、次の税理士に対し期待することを明確にしておく

税理士を変更するきっかけがどのようなものにしろ、「現在の税理士では不十分・不的確である」という判断が、税理士変更の根本です。

この判断の背景をしっかりと検討し、次の税理士に求める資質、能力、ノウハウなどについて明確にしておくことが大切です。漠然と次の税理士を選ぶと、税理士の変更に失敗する可能性が高くなります。

なお、変更前の税理士に非がある場合(ミスが多発する、誠実に対応してくれないなど)、その点が次の税理士によって改善されれば問題は解決します。しかし、会社側に非がある場合もあります(資料をまったく揃えない、顧問料にそぐわない内容の依頼をするなど)。

会社側に非がある場合は、会社側の問題点を改善しない限り、顧問税理士を変更しても状況は改善されません。結果、何度も税理士を変更することもあり得ます。

税理士に抱えていた不満を洗い出すと共に、自社に問題はなかったかを改めて見つめなおすとよいでしょう。

税理士変更のスケジュール感

上記のように、税理士を変更する場合は時期を見計らい、企業側の準備も必要です。いきなり「明日から変える!」というわけにはいきません。各種会計資料や、経営に関する重要な書類を税理士に預けているのであれば、それを引き取らなくてはなりませんし、ある程度の時間が必要です。

スケジュール感としては、税理士変更を決断してから、いざ変更に至るまでにはおよそ半年ほどは見積もっておいたほうがよいでしょう。

売上高によっては引継ぎにかなり時間を要する場合もありますし、税理士事務所の繁忙期を予め見据え、余裕を持ってスケジュールを組むことをお薦めします。

こんな違和感・変化があれば、税理士の変更を

ところで、税理士の変更を考えるタイミングは、不意に訪れるものです。かねてより抱えていた不満が顕在化したときや、税理士の仕事ぶりに満足できなくなってきたときなど、ふとした違和感から「税理士を変更したほうがよいのだろうか」と思うようになります。

一方、税理士を変えることには心理的なハードルもあると思います。ふと感じた違和感も「いや、これが普通なのだろう」と放置し、違和感を解消しないまま税理士と長年付き合っている、という会社もあります。

しかし、不満や違和感を抱えたまま税理士との付き合いを続けていても、よいことはありません。話し合いで改善できるなら、税理士に伝えてみましょう。また、税理士との関係性は悪くないが、会社の状態とのミスマッチによる違和感の可能性もあります。

以下に挙げるようなことが当てはまる場合は、税理士変更に向けて動き出してもよいかもしれません。

1、事業規模が変わり、現在の税理士では力不足だと感じ始めたとき

事業のステージによって、会社が税理士に求めることも変わっていきます。例えば、起業して間もない小規模事業の頃には経営者の方にも多くの実務が発生するため、税理士による会計業務へのサポートを心強く感じるでしょう。

一方、事業規模が拡大していくと、経営的な目線から相談に乗ってもらいたいというニーズが強くなっていきます。例えば、会計処理だけではなく予実管理・PDCAサイクルの見直しや予定納税、雇用リスクなど、事業の未来を見据えたサービスを提供してもらいたいと考えるようになります。

しかし、顧問契約内容が記帳代行のみとなっている場合や、顧問税理士の事業規模の程度によっては、このような経営者の方のニーズに対応できなくなる場合があります。

現在の顧問税理士に大きな不満を持っている場合はもちろんですが、「いい人だけど、自分の求めるものはこの人の手には余るかもしれない」と感じる場合も、税理士変更のタイミングが訪れているといえるでしょう。

2、経営者が変わるとき・会社の体制を変更するとき

事業承継で代替わりしたり、本社から違う経営者が来たりと、会社が新たな経営者を迎え入れた場合や体制が変わるときなどは、会社と顧問税理士との関係を見直すタイミングになります。

経営者が変われば事業の方針も変わり、会社が税理士に対して求めるものも変わります。また、先代経営者の方が「顧問税理士に不満はあるが長い付合いで、契約解除もためらわれる」と我慢をしている場合があります。この場合は、経営者が変わるのに合わせて税理士も変更すればよいでしょう。絶好のタイミングといえます。

3、税理士への不満が解消されないとき

望ましくないことですが、契約内容を守ってくれない、仕事のミスが多い、税務調査で指摘される点が多かったなど、税理士の資質や能力に不満を抱くこともあり得ます。妥協できないと感じたり、何度言っても真摯に向き合ってくれないのであれば、税理士変更のタイミングは訪れているといえます。

なお、最近では、自社の担当者がよく変わることに嫌気がさし税理士事務所との契約を解除する経営者の方も増えています。新担当と一から関係性を築き、同じことを何度も説明しなくてはならないのは会社として負担です。「また担当者が変わるのか」と思ったら、税理士(税理士事務所)変更のタイミングかもしれません。

※他にどんな理由で税理士を変えるのか知りたい方は『税理士を変更する3つの理由と、変更のメリット・デメリット』をご覧ください。

税理士の変更は適切なタイミングで

税理士の変更は、適切なタイミングであれば決断してもよいと思います。不満を抱えて顧問契約を続けることはありません。しかし、頻繁な税理士の変更は、引継ぎが煩雑になり会社の業務に支障をきたす恐れもあります。

税理士変更の場合には、タイミングをはかり、万全を期して自社に最適な税理士を選びたいものです。税理士は経営者のパートナーとなり得る存在ですから、よりよい税理士にめぐり合えたら、会社にとって非常に大きな力となるでしょう。

※税理士紹介サービスについて知りたい方は『税理士紹介会社に依頼する3つのメリット・2つのデメリット』をご覧ください。

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税理士への不満が税理士の問題なのか判断する2つの事例

税理士への不満わがままなのか税理士の問題なのか?「顧問契約をしているのに、毎月税理士が訪問に来ない」

「顧問税理士に見てもらっているのに税務調査で不備を指摘されて困った」
「担当者がしょっちゅう変わって十分なコミュニケーションが取れない」
「自分でも理解を深めようと色々と質問しても、『任せておけ』と向き合ってくれない」

このように経営者の方々が持っている税理士への不満は、実に様々です。そして、現在の顧問税理士に不満を持つ経営者の方は意外と多いものです。したがって「こんな不満を持つのは自分だけなのだろうか」「不満を抱く自分が、わがままなのだろうか」と不安に思うことはありません。

また、「不満はあるのだけれど、関係を悪くしたくないから言い出せない」「税理士の言っていることが専門的で、よくわからなくても仕方がない」などと諦めてはいませんか?

まずは、何に不満を抱いているのかを分析してみましょう。不満の原因が自分のわがままや誤解なのか、それとも税理士の能力不足や相性の問題なのかを判断し、税理士に問題があれば変更も考えてみましょう。顧問契約の主導権は、依頼者側にあるのです。

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その税理士は、依頼者の不安や疑問に対し誠実ですか?

税理士の対応に不満を持っていても、顧問税理士との関係改善や、税理士の変更を検討することで、長年の悩みが解決することもあります。ここでは事例を参照し、判断材料としてみましょう。

1、税理士が、会計資料に十分目を通していない

「顧問税理士が伝票や会計ソフトのデータだけで資料や申告書を作成し、請求書や納品書、各種取引の契約書などを確認していなくて不安だ」という事例はよく耳にするものです。このことだけで即座に「顧問税理士を変更する!」と結論づけるのは早計かもしれませんが、不満を伝えた際の対応は、判断材料の1つとなるでしょう。

税理士は「これだけで十分だ」と言うかもしれませんが、確認して欲しい資料が他にもあれば伝えてもよいでしょう。税理士が確認しやすいように資料を整理しておくなど、依頼者側にも準備が必要ですが、依頼者の希望どおり確認してもらえれば不安は解消します。また、税理士がそれらの資料を確認しない理由をきちんと説明してくれれば問題ありません。

ただし、「私はこの方法で長年やっているんだ」「依頼者は税務の素人なのだから、こちらに任せておけばよいのだ」とでも言い出しかねないような居丈高な姿勢で、何の説明もしてくれないかもしれません。この場合は、その税理士と顧問契約を続けるか否か、検討を始めてよいでしょう。

2、税理士から、自計化を反対された

「自計化を提案したら止められたが、どうも納得できない」という事例もあります。たしかに自計化を始めたら、一時的に混乱することもあるでしょう。しかし通常は、会計業務のサポートも顧問契約の範囲内です。

また、記帳代行には作業負担の軽減というメリットがありますが、自計化にも自社の業績を目の当たりにできるというメリットがあります。どちらを選ぶかは経営判断であり、税理士に止められるいわれはありません。

経営において税理士の意見は貴重なものですから、納得のいく理由であれば自社のことを考えてくれている、誠実な税理士だと判断することも出来るでしょう。しかし「とにかくダメだ」「御社にはお薦めできません」などと理由をろくに説明もしてくれないようなら、顧問契約の継続には疑問符がつくところです。

その税理士は、仕事をきちんとしていますか?

1、税理士が、会計税務に関する質問に答えてくれない

会計や税務の取扱いについて税理士に質問しても「まかせてください」というだけで、きちんと説明をしないという事例も少なくありません。その場で説明できない内容であった場合でも「調べて、追ってお答えします」と答えればよいのです。税理士の業務範囲において説明を怠ることは、仕事を怠っていることと同じです。

2、税理士が、顔を出さない・連絡をくれない

「顧問税理士なのに自社にほとんど顔を出さないし、連絡もくれない」という不満もよく耳にします。税理士は、幾つかの顧問先を持っています。時期によっては多忙を極めることもあるでしょう。しかし、最低限のことだけは済まして、普段は顧問先のことを気にもしていないような態度は、仕事を真摯にしているとは言いがたいものです。

顧問税理士に対する不満がぬぐえない場合

上記のような事例に覚えがあり、税理士と向き合おうとしても改善されないようならば、税理士を変更することをおすすめします。最も大切なものは経営者の方ご自身の事業であり、そのために適切な会計税務の履行が必要なのです。顧問税理士に不満を抱えたまま契約を続けていても、よいことはありません。

「税理士を変更すると、税務署に目をつけられるのではないか」という心配は不要です。これは一種の都市伝説ですし、そもそも優秀な税理士を顧問に迎えれば税務調査を恐れる必要もありません。

「解消しようとしてもできなかった税理士への不満」は、れっきとした事業上の問題です。「もうしばらく様子をみるか」「いざ変更となると面倒だ」などと問題を先送りすることが、経営にとってマイナスであることは明確です。

「より優秀な税理士とタッグを組み、経営力をアップするタイミングが来たのだ」と前向きに捉え、顧問税理士の変更を検討を進めてみてはいかがでしょうか。

※税理士に不満のある方は『税理士への苦情』『税理士の変更理由』『税理士変更のタイミング』をご覧ください。

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税理士のミスにより損害が発生した場合~責任はどこまで問える?

税理士のミス損害賠償について
「長年の付き合いだからと信頼して税理士に任せていたら、税務調査で過年度からのミスを指摘され、延滞税を取られた!」

「税理士が自分のミスを隠すために帳簿を改ざんしていたことが、税務調査で発覚した」

「税理士が法律が変わったことを知らなかったために、できたはずの節税対策を逃してしまった」

このような経験をした経営者の方は、案外と珍しくないものです。税理士にとってはもちろん、会社にとっても名誉なことではないので、あまり表には出てこない話ですが、こうしたトラブルをきっかけに、税理士の変更に判断する経営者の方も少なくありません。

特に、後になって加算税や延滞税などのペナルティが会社に課せられた場合、責任を税理士に問いたくなる気持ちはわかります。「実害があったのだから、損害賠償を」という考えにもなるでしょう。

しかし、少し冷静に考えてみてください。会社がペナルティを課せられた原因は、本当に全責任が税理士によるものでしょうか? また、それは税理士の悪意に基づくものだったのでしょうか?

たしかに、税理士は経営者の依頼を受けて税務の代行をする立場です。しかし、本来は税務は経営者の仕事ですし、代行を依頼したとしても監督責任は経営者として持たざるを得ません。

顧問税理士と会社とは契約を交わしているはずですので、責任の範囲は契約の内容によることとなります。契約書の文言にぴたりと当てはまり判断できるケースばかりであれば話は早いのですが、実際には、税理士と経営者の方とどちらにも責任がある場合などもあり、線引きが難しいこともあります。

したがって、すぐに「訴えてやる!」「裁判するしかない!」と行動に移さず、まずは改めてトラブルの内容と、その背景について検討することをお薦めします。

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その「ミス」は、本当に税理士だけの責任なのか

例えば、役員報酬の取扱いについて税務調査を受けた結果、不適切と指摘され、会社がペナルティを受けることになったとします。

ここで「顧問税理士が、事前に指摘をしなかったからペナルティを受けることになった。これは税理士のミスだ」などと主張するのは、やや筋違いといえるでしょう。経営者や役員の報酬については、取締役会で決められるものであり、その内容の責任は間違いなく会社にあるからです。

経営上の責任については、経営者が負うべきもののはずであり、税務調査にて不足分の税負担を求められたとしても、とても税理士のミスとはいえません。それは加算税や延滞税が発生した場合でも同様です。この例のように、会計まわりのトラブルだからといって、すべてが税理士の責任になるわけではないので注意が必要です。

経営者の監督責任も問われる

では、税理士に記帳代行を依頼していて、入力ミスがあったとします。そして、そのミスのために会社がペナルティを受ける事態になったとしても、安易に税理士ばかりを責めるべきではないと思います。

ペナルティを受けることとなるほどのミスであれば、その兆候は財務諸表上に表れているはずです。いくら記帳代行を依頼していたからといって、月次の報告のなかで財務諸表をチェックする義務は依頼者側にもあるはずです。いわば「ミスを見過ごしたミス」が、依頼者側にもあったのです。

だからといって、税理士のミスが帳消しになる訳ではありません。実際には、会社が課せられたペナルティの一部を税理士が負担するなど、双方が納得できるような和解を目指すことになるでしょう。

多くの税理士は賠償責任保険に加入している

こうした不測の事態に備えて、多くの税理士は賠償責任保険に加入しています。ミスがあってはならない仕事ですが、人間のやることに完全はあり得ません。ミスの解釈に応じて、顧客との関係に配慮しつつ、ミスにより発生させてしまった損害に対応できるようにこの保険があります。

もちろん「保険に入っているんだから」と、何でも税理士の責任にするような態度は望ましくありません。一方、このような保険があるということを知っていれば、税理士側の責任と会社側の責任を線引きし、それぞれの責任を明確にすることに及び腰にならずにすむともいえます。

必ずしも、全てを税理士の責任にできる訳ではない

加算税や延滞税を「ペナルティ」と表現はするものの、そもそもこれらの税金は「納めるべき税金が未納である状態を後から正す」という性格のものです。したがって「損害」という概念とは、本来は意味が異なるものです。この認識から税理士の「ミス」について検証すると、考え方も少し変わってくるのではないでしょうか。

また、経営者の方と税理士はパートナーであり、お互いに助け合う関係です。しかし、税理士はあくまでも外部の助力者であり、税務も含めた経営の責任は、あくまで会社側にあることを忘れてはなりません。

こうしたことを踏まえて、税理士の「ミス」の原因や責任の範囲について、冷静かつ公平な判断を心がけたいところです。

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「税理士を訴えてやる!」その前に考えるべき3つのポイント

税理士を訴える?3つの解決方法
「顧問契約を結んでいた税理士のミスが見つかり、会社に損害が生じる」というトラブルは決してないとはいえません。元からいい加減な税理士でも、真面目な税理士でも、人間である以上ミスが発生する可能性をゼロにはできません。

そうはいっても、受けた損害が大きい場合や、明らかな怠慢によるミスに対して、ただ黙っている訳にはいかない場合もあります。まずはミスを訂正し、業務のやり直しを請求することになるでしょう。そして、損害の大きさ次第では、賠償請求をしたり、顧問税理士を変えることも視野に入ってくるでしょう。

しかし、いずれにせよ「訴えてやる!」などと冗談で言うことはあっても、実際に裁判となると金銭的にも時間的にも多大な負担となります。これは「訴える側」も「訴えられる側」も同様です。税理士を訴えるということは、あくまで最終手段です。できるだけ避けましょう。

したがって、ここでは「税理士を訴えたい!」という考えが頭をよぎったときに、まずは考えていただきたいポイントについて挙げていきます。

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税理士のミスが見つかった場合

まず、税理士の業務にミスが見つかった場合、その内容をよく検証しましょう。ミスの内容によって、賠償請求をするか否かが変わってくるためです。

例えば、税理士のミスの結果明らかになった本来納付すべき税負担については、損害賠償の対象にはなりません。一方、ミスが原因で加算税や延滞税が発生した場合、その負担は損害賠償の対象になります。

訴訟を決断する前に行うべき3つのポイント

税理士のミスと被った損害を把握してもなお、「よし!税理士を訴えるぞ」と行動を起こすのは早計です。裁判にかかる労力は多大なものであり、事業の運営にも大きな影響を与えます。まず、以下の3つのポイントについて検討することをお薦めします。

1、顧問契約内容を確認する

例えば、日々の記帳にミスがあったとします。この場合、記帳代行を依頼していたのか、自社の入力のチェックのみを依頼していたのか、契約の内容を確認する必要があります。「どこまでが税理士の仕事として契約されていたのか」が、ミスが発生した場合に税理士が負う責任の重さの違いになります。つまり、すべて税理士の責任になるとは限りません。

また、多くの税理士は損害賠償保険に加入しているので、明らかに自らに否があると認めれば、素直に賠償に応じることが多いです。冷静な話合いをするためにも、こちらとしても契約内容を把握しておくことが大切です。ミスが発生したときに限らず、日頃から契約内容を意識しておきましょう。

2、税理士会に相談する

当事者間で話合いがつかない場合には、調停機関として税理士会が頼りになります。税理士会内の紛議調停委員会に申し立て、調停が行われることとなると、税理士会から税理士へ調停の場への出席が求められます。税理士は必ず調停の場に出席しなければならないので、否が応でも問題解決へ前進することとなります。

調停を利用するメリットは、損害が生じたそもそもの原因や、賠償される範囲が明確になり、裁判を起こさずに問題の解決を期待できることです。ただし、調停の場を設けてもなお、双方の意見が食い違い、調停が不成立となる場合もあります。

3、弁護士に相談する

税理士会に申し立てても、調停を受け付けてもらえないこともあります(「紛議の性質上調停に適しないと認められるとき」とされています)。

そうした場合には、弁護士に相談し、法律に基いて問題の解決を図ります。「弁護士に相談=裁判」ではありません。弁護士という第三者のもとで話合いの場を設けるのです。それでも決着がつかなければ、いよいよ訴訟を起こして裁判で争うことになるでしょう。

税理士を変更する可能性と、税理士の選び方における2つの基準

損害賠償を受けたとしても、顧問税理士との感情的なしこりは残るかもしれません。もしも損害が生じた背景が「いつも対応が適当である」「『全部任せておけ』と言って、詳しく説明してくれない」といった、その税理士固有のものであると感じるのであれば、こうしたトラブルを機に顧問税理士の変更をする可能性も考えるべきです。

そして、もしも「顧問税理士を変更する」と決断した場合、まずは以下の2つのポイントを判断基準にしてみましょう。

1、顧問契約書がしっかりしており、それに対応した見積書を提示できる

昔は顧問契約書もなしに顧問料を取る税理士もいましたが、現在ではしっかりとした契約書を作成することは必須です。契約書の文言も、税理士の専門用語ばかりで書かれたものではなく、依頼者にも理解できるようなものになっていれば理想的です。

同時に、契約書にある税理士が履行するべき業務について「業務ごとに、料金がいくらかかるのか」を明確化した見積書を提示できることは、その税理士が優秀であるという判断基準の1つです。

2、コミュニケーションがしっかりと取れる

「契約書を交わしたあとは、担当者任せで淡々と業務をこなすだけ」という税理士と契約することは、トラブルの種を育てるようなものです。契約前の面談時から、税理士の人物像をよく観察し、相性がよいと感じられるコミュニケーションが取れることは必須条件です。

それに加えて業界の事情に詳しいとか、事業規模が同程度の顧客を多く持っているといった自社との共通点が多ければ、よりプラスの判断材料になります。

なるべくなら税理士を訴える状況は避けたい

不幸にもトラブルが生じたら、大きな不満や憤りを抱えることになるのは当然です。それでも、税理士を訴える事態にまで発展することは避けたいものです。その前にできることは、少なくありません。

話合いで解決することは十分可能ですし、税理士を訴えることなく損害賠償を請求することもできます。すでに起きてしまったトラブルに、できるだけ少ない労力で解決するということは、前向きな経営判断の1つといえるでしょう。

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税理士への苦情は、どこに言う?

税理士への苦情はどこに言えばいいのか?

「今の税理士に苦情をいってやりたい」
「顧問税理士が上から目線で話が通じず、困っている」
これらは、実によく耳にする経営者の方と税理士との関係における悩みです。

「税理士には専門的なことをお願いしているだけに、正面を切ってケンカをするのも気が引ける」「税理士の態度に苦情を言いたいが、本人に伝えるとややこしいことになるかもしれない」などと考え、対応に困っている経営者の方は案外多いものです。

こうした場合には、冷静な視点を持てる第三者に間に入ってもらうことが、解決への近道になります。では、その「第三者」とは、どういった人が考えられるのでしょうか。

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どこに苦情を伝えるのか

顧問税理士に関する苦情を伝える先として、まず考えられるのは、税理士の所属事務所や所属事務所の所長、税理士会、弁護士です。紛争解決のための第三者として、適切といえるでしょう。ここでは、具体的にそれぞれの特徴を挙げていきます。

1、税理士の所属事務所、所属事務所の所長

苦情の対象である税理士が、税理士事務所に所属している場合、まずは、その上司または事務所の所長に苦情を伝えてみましょう。面識がなくても、ホームページに連絡先は載っているはずですし、事務所に電話をして直接伝えてもよいでしょう。

トラブルや依頼者の抱える不信感が事務所としても不本意であり、苦情の内容が正当な主張であれば、真っ当な上司や所長ならば部下の非礼を詫びるでしょう。注意喚起や、担当税理士の変更など具体的な対応も期待できます。

上司や所長が、事務所の従業員である税理士をかばうこともあります。ただし、そういう事務所は真っ当ではない、というわけではありません(そういう事務所もゼロではないかもしれませんが・・・)。事務所のポリシーと苦情の解決のすり合わせが難しい、という場合もあるのです。

例えば「かなり低い価格設定のかわりに、最低限のことしかやりません」と標榜している事務所に「最低限のことしかやってくれない」という苦情が入った場合、事務所としてどのように対応すればよいか悩ましいところでしょう。

「事務所のポリシーとして、それはできない」という回答が「税理士をかばっている」と見えることがあるかもしれません。これは「苦情に対応してくれない」というよりは、「税理士やその事務所との相性の問題」になるかもしれません。

そして、残念ながら真摯に対応してくれない事務所もあるでしょう。苦情を言っても曖昧な回答をされたり、担当替えをしてもらっても改善しなかったという場合もあります。根本的な解決に至らないという考えに至った場合、その事務所との付き合いを再考することをお薦めします。

2、顧問税理士が所属している税理士会

税理士は、必ず税理士会に所属しています(なお、試験に合格していても税理士会に所属していない人は、いわゆる「無資格者」となります)。まずは、所属税理士会を調べましょう。もしも税理士の名刺に「○○税理士会所属」といった表記がなくても、日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」から所属税理士会を検索することが可能です。

税理士会には、紛議調停委員会という機関が設置されています。事業者と税理士との間で発生した苦情申し立てを、裁判に至る前に話し合いで解決しようという機関です。税理士は、税理士会からの呼び出しに応えなければならないので、問題をうやむやにされず、具体的な問題解決に向けての行動が期待できます。

3、弁護士

苦情を申し立てたい内容が、顧問契約に明らかに反するような契約不履行や、税理士のミスによって自社に大きな損害が生じたというトラブルもあるでしょう。裁判も視野に入れて賠償責任を求める場合、弁護士に相談することになります。

なお、弁護士に相談したからといって、必ず裁判をする必要はありません。弁護士の立会いのもと双方で話し合い、こじれた関係を整理するだけでも問題解決には有効です。法の知識を持った第三者の存在により、問題の責任がどこにあるのかけじめをつけることができます。

苦情申し立ての行き着く先は

上記のような方法で、苦情を吐き出すことができたとしても、顧問税理士との信頼関係にしこりが残ることは避けられません。両者が是々非々の考え方であれば、割り切って顧問契約を継続できるでしょうが、現実的には難しいところです。

そのために、苦情を申し立てるときには、顧問税理士を変更することも頭に置きながら、対策を進めるべきでしょう。問題解決にあたっての話し合いの場でも、「契約解除も止むなしと考えている」と伝えるくらいの姿勢で臨むべきです。

顧問税理士は、活用してこそ価値があるものです。苦情を申し立てたいほどの不満を我慢し続けることには、意味がありません。苦情を申し立てる場合の選択肢は、上記のようにいくつかあります。抱えている不満を冷静に検討し、「やはり苦情を申し立てよう」と決めたら、大いに第三者の力を借りて問題を解決しましょう。

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税理士のミスについてクレームを入れるには?

税理士へのクレーム事例
「顧問税理士のミスが発覚し、損害を受けた!どこにクレームを入れたらよいのか」
トラブルが発生したものの、どこに何を伝えたらよいのか悩んでいる経営者の方もいるでしょう。

できることなら穏便に解決したいところですが、それでは済ませられない場合もあるかもしれません。例えば、見過ごせないミスが発覚した場合や、会社が甚大な被害をこうむった場合などです。

こうした場合、原則的には当事者同士での話し合いによって解決に向かうのが一番です。それでも解決の見込が立たないならば、次善の策を考えてみましょう。

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顧問税理士の責任を問える3つの事例

まず、税理士のミスにより会社に損害が生じた場合には、まずは契約内容の確認をするべきでしょう。顧問契約は包括的な内容になっているので、契約書においてどのような文言で定められているかが、責任を問う判断のポイントになるためです。

以下、明らかに税理士のミスであると判断でき、責任を問うことのできる例を3つ挙げてみます。

1、記帳代行の内容に関するミス

顧問税理士に記帳代行を依頼しており、その内容に誤りがあったとします。これは税理士のミスです。会社への損害につながれば税理士の責任となりますし、損害賠償の対象にもなります。

2、届け出に関するミス

税務に関する必要な届け出を忘れていたり、提出しても期限を過ぎていたり不備があったりして無効となったことにより会社が受けた損失は、明らかに顧問税理士のミスによるものです。このミスにより会社が被ったペナルティや、受けられるはずだった節税効果の逸失について賠償責任を問えるでしょう。

3、節税対策などの提案内容に関するミス

顧問先の会計税務についての不適切なアドバイスや、顧問先の了解を得ずに行った行為による損害があった場合、内容によっては税理士の責任となります。例えば、顧問先の了解を取らずに違法な節税を行っていたことが発覚すれば、その責任は税理士に求めることができるでしょう。

※裁判など、税理士のミスによるトラブルや賠償に関してはこちらをご覧ください。

クレームを入れるための3つの方法

上記のようなミスにより、自社に重大な損害が発生したらクレームを伝えたいと考えるのは当然のことでしょう。しかし、誰にクレームを伝えればよいのでしょう。ここでは代表的な3つの方法を挙げてみます。

1、税理士当人に伝える

まずは、当事者間で話し合いの場を持ってみましょう。税理士はこうした事態に備えて、損害賠償保険に入っていることがあり、自分に否があると認められることであれば損害賠償に応じ、揉めることなく解決するケースも少なくありません。

2、税理士の所属する税理士会に伝える

どうしても税理士との話し合いがまとまらなかったり、あくまでも税理士が否を認めないという事態に陥ることもあるでしょう。そのときは、第三者機関として顧問税理士が所属する税理士会に相談してみましょう。

問題解決の仲介役になってくれる場合もありますし、改めてクレームの発生源を洗い直し、お互いの主張の落としどころを探してくれることが期待できます。

3、弁護士に伝える

クレームの内容が損害賠償の請求も辞さない場合は、調停や裁判になることを覚悟して、弁護士に相談してみましょう。聞く耳を持たなかった税理士も、弁護士に相談したと知れば態度を改めるかもしれません。

クレーム後の、税理士の変更も視野に入れる

しかるべきクレームを入れても、解決しない場合もあります。また、解決までに時間がかかる場合もあるでしょう。どうやったとしても禍根を残すことになりそうな場合、その相手である現在の顧問税理士と契約を継続する気持ちにはならないでしょう。このような場合には、顧問税理士の変更も視野に入れてみてもよいと思います。

よい方向に考えれば、一度トラブルを経験したことで、より自社にとって適切な税理士に出会うチャンスを得たともいえます。トラブルを機に、理想の税理士像を具体的に考えてみるのもお薦めです。

※税理士を変える場合は『税理士の変更理由』『税理士変更のタイミング』をご覧ください。

ただし、税理士と揉めて顧問税理士の変更をする場合、怖いのは税理士同士の横のつながりです。新たな顧問税理士候補が、実は揉めた税理士と関係が深かった・・・という事態は避けたいものです。経営者の方にとって不本意な情報が先回りしている可能性も否定できません。

そうした場合、便利なのは税理士紹介サービスです。第三者的な視点からアドバイスを受けることができますし、登録税理士のなかから相談者にとって問題が生じない税理士を紹介してくれます。

クレームを入れるときは、関係性の途絶も覚悟して

税理士も人間ですから、クレームを入れられたときの対応は千差万別です。クレームを入れるのであれば、それまでの関係の途絶を覚悟しておくべきでしょう。ですから、クレームを入れる前に、いま一度トラブルの原因を確認し、クレームを入れた場合と入れない場合のメリット・デメリットについて検討してみましょう。

検討した結果、やはりクレームを入れざるを得ない場合は、上記のように段階を踏むとよいでしょう。もちろん、何にでもクレームを入れることを推奨するわけではありません。しかし、クレームを入れることが問題の解決や顧問税理士との関係修復に繋がる場合もあります。そして、いざとなれば顧問税理士は変更することが可能なので、必要以上に臆する必要はありません。

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税理士の変更

税理士を変更する3つの理由と、変更のメリット・デメリット

税理士の変更理由とは?
「今の顧問税理士に少し違和感を感じる・・・」
「どうしてもっと親身になってくれないんだろう・・・」
このように、経営者の方が税理士に不満を持つことは決して珍しいことではありません。

 

特に「真面目に税理士と向き合おう」「事業に税理士を活かそう」と思っている経営者の方ほど税理士に対する満足度が低く、その結果、顧問税理士の変更を考えるようになります。

 

税理士の変更にはメリット・デメリットの両面がありますが、肝心なことは、変更するからには目的意識をしっかりと持つことと、適切な税理士選びをすることです。

 

※注:もし今の税理士に不満があるなら
実績1万件以上!税理士紹介の専門会社『全国税理士紹介相談所』にご依頼ください。面談済み税理士1000名の中からぴったりの税理士をご紹介いたします。

 

税理士を変える主な3つの理由

税理士は、会社にとっては経営の根幹に関わる存在です。したがって、経営者の方からの評価の目も厳しくなりがちではあります。しかし、税理士の変更には労力もかかりますので、変更に至るには見過ごせない理由があるはずです。具体的には、どのようなものがあるのかみていきましょう。

 

1、態度が高圧的

比較的高齢の税理士になるほど強く見られる傾向ですが、「先生」と呼ばれていた名残りを引きずり、上から目線で依頼主に対応する税理士は決して少なくありません。

 

世間の荒波に揉まれてきた経営者の方からすると、こういう税理士によい気持ちは抱かないでしょう。そして、直接の面談時はもちろん、事務所の電話応対や、書類の送付のレスポンスの悪さなど、全般的に社会常識として拙い部分に我慢ができなくなり、変更に至るのです。態度が高圧的なことが、税理士の変更を考えるきっかけとなったというケースは多く見られます。

 

2、報酬が高い(見合わない)

報酬が高いという不満には、2つの面が含まれます。1つは経営上の費用負担の重さから、税理士の報酬を支払うこと自体が苦しいという不満です。この場合、契約内容の変更などを含めて、税理士を変える必要に迫られます。

 

もう1つは、税理士のしてくれることが報酬に対して見合わないという不満です。税務に関する最低限のことしかせずに、情報提供もアドバイスも何もないとなると、経営者の方は「この税理士は何もしてくれない」と感じます。報酬の額面、そしてコストパフォーマンスから税理士の変更を考えるケースも少なくありません。

 

3、対応が適当

質問に対する回答が返ってくるのにやたら時間がかかったり、改めてこちらから聞き返さないと回答してくれないという税理士もいます。その他にも、欲しい資料をなかなか提出してくれなかったり、電話不在時の折り返しがなかなか来ないなど、レスポンスの遅さが目立つ税理士もいます。

 

また、税理士を変更した理由としてよく挙げられるのが税務調査時の対応です。「何のフォローもしてくれず、税務署の指摘に従うばかりだった」「顧客である自分の味方ではなく、税務署のいいなりだった」と感じれば、当然税理士への不満は高まります。そして「この税理士は適当にしか対応してくれない」と判断し、変更に至るのです。

 

税理士を変えるメリットとデメリット

それでは、実際に税理士を変更した場合、どんなメリットが期待できるでしょうか。また、デメリットも把握しておきたいものです。

 

1、顧問税理士を変更するメリット

前任の税理士との関係を踏まえたうえで、税理士の選択を始められることは大きなメリットです。経験が味方してくれて、自分が税理士に期待する点や目的意識が明確になっており、初めてのときよりも自社にとって適切な税理士を選べるでしょう。そして、慎重に選んだ税理士であれば、よりよい関係性を築けることも期待できます。

 

2、顧問税理士を変更するデメリット

一方、税理士との契約を打ち切るということは、関係性の継続が失われることになります。税理士は経営者のパートナーと呼べる存在です。自社の事業にも理解があるでしょう。新しい税理士を迎えることは、そうした関係性をゼロにし、新たにスタートさせることになります。

 

また、前任の税理士がこれまでの会計データを渡したがらないことがあります。そもそも、このような事態にならないように顧問契約書をしっかり結んでおくことも大切なのですが、最悪の場合、過年度の経理データを再入力する必要があるかもしれません。

 

自社で入力するにしろ新しい税理士に依頼するにしろ、大きな負担になることは避けられません。この点は、税理士変更におけるデメリットといえます。

 

税理士を変更するときの不安~税務調査に入られやすくなる?

なお、都市伝説として「顧問税理士を変更すると、税務調査に入られやすくなる」というものがあります。これについては、全くのデマといってよいでしょう。

 

たしかに、申告や納税の際には関与した税理士の署名が入ります。しかし税務署からすれば、ただの一情報として捉えられるだけでしょう。納税の主体は、あくまでも事業主にあると考えられています。

 

ただし、税理士が変わった期を境に、決算の内容が大きく変わったり、疑義が生じるようなことがあると、税務調査の対象にはなりやすくなるでしょう。法に違反しないギリギリのラインを図る、いわば攻めの節税対策をとる税理士もいれば、とにかく安全運転に徹した納税を心がける税理士もいます。

 

こうした違いが税務署に違和感を覚えさせ、税務調査となるきっかけにはなるかもしれません。しかし、これはあくまで推論であり、実際にはきちんと納税していれば税務調査の対象にはなりにくいですし、調査が入ったとしても必要以上に恐れることはありません。

 

税理士の変更には目的意識を持つこと

税理士といっても、千差万別です。「絶対に誰にでも合う税理士」は存在しません。そこで大切なことは、経営者の方ご自身が税理士に対して「どんな仕事を、どのようにして欲しいのか」をはっきりと自覚することです。そして、それに応えてくれる税理士を探すことです。目的を明確にし、そこから絞り込んでいくのです。

 

最近では、インターネットを活用して情報発信する税理士が多くなっているので、情報収集の1つとして目を通してみるとよいでしょう。また、税理士自身が発信している自己PRからだけではなく、もう少し多角的に検討したい場合は、税理士紹介サービスなどを利用し、選択肢を絞ってリストアップしてもらうといった手法を考えてみてもよいでしょう。

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税理士の変更

税理士のミスによるトラブルが起きたら?裁判を避けるためのリスク対策

税理士の賠償その裁判事例とリスク対策
「税理士の指示どおりにやったら、税務調査で否認されて大きな罰金を科せられた。税理士の責任なのに払ってくれないので裁判を起こすことにした!」

実はこのようなトラブルは、決して少なくありません。税理士にとってはもちろん、経営者の方にとっても恐ろしい事態です。なぜなら、もしも本当に裁判となった場合は、時間・時間・労力をそこに多く費やすことになるからです。経営にとって、実に大きなリスクといえます。

こうしたトラブルを未然に防ぐためには、まず過去の事例を参照することです。そして、事例をもとに自社のリスク対策について予め考えておきましょう。税理士のミスを原因としたトラブルのすべてが裁判につながる訳ではありませんが、トラブルの傾向や対策をふまえておくことは大切です。

※注:もし今の税理士にご不満をお持ちなら
税理士紹介の専門会社『全国税理士紹介相談所』にご依頼ください。実績1万件以上!面談済み税理士1000名の中からぴったりの税理士をご紹介いたします。

裁判を避けられる・裁判にはならないトラブル

では、トラブルにはどのようなものがあるのでしょうか。また、いざトラブルが発生したら、どのように対応をすればよいのでしょうか。ここでは、いくつかのタイプに分け、整理して考えてみましょう。

1、「更正の請求」を行い、和解できるトラブル

経営者の方が、最も税理士に責任を取ってほしいと考えるのが「後になって、税金の払い過ぎが発覚する」というトラブルでしょう。顧問料を支払い、信頼して税務を任せていたのにこのようなことが起きたのなら、賠償を求めたいと思うのは当然かもしれません。

しかし、誤りの理由が悪質なものでない限り「更正の請求」を行うことで、このトラブルのリカバリーは可能です。更正の請求とは、税務署に対してしかるべき手続を期限内にとれば、払い過ぎた税金を取り戻すことができる制度です。

感情的なしこりは残るかもしれませんが、税理士も人間です。時にミスをすることもあるでしょうし、法的にリカバリーする方法があるのですから、今後のためにも裁判とはせず和解としたいところです。

2、税務署との見解の相違の結果であるトラブル

税務調査によって、納税額の不足を指摘され、追徴課税が発生することがあります。もちろん望ましいことではなく、トラブルといってもよいかもしれません。

しかし、悪質な意図を背景としているような場合を除けば、これは「税理士のミス」とはいえません。脱税意識がなく、税務署との会計処理の見解の違いによる結果であれば、仕方がありません。税理士に賠償責任を求めることは筋違いでしょう。

裁判になり得るケース~頻出トラブル例

上記のような、税理士に賠償を求めるには至らないトラブルも少なくはありません。それでも毎年数百件の税賠(税理士損害賠償請求)事故が発生しています。例えば下記のようなものです。

1、消費税の課税事業者の選択の届け忘れ

会社が開業してからの一定期間、通常は免税事業者として扱われます。しかし、この期間中に売上高が一定額を超えたり、免税期間を過ぎたりしたときには「課税事業者選択届出書」を提出し、免税事業者ではなくなったことを申告する必要があります。

この届出は、適用を受ける決算期の前に行わなければならならず、この機会を逸すると、消費税の還付が受けられません。税理士の責任が問われる可能性が高い、頻出トラブルです。同様のトラブル例として、簡易課税制度選択不適用届の届け忘れも多く見られます。

2、税制の選択ミス、優遇税制申告の手続漏れ

より会社に有利になる税制があったのに選択していなかったり、手続漏れにより免税や税負担の軽減を適用し損ねてしまったというトラブルもあります。

昨今、様々な優遇税制が設けられています。税制は変化が激しく、それを捉えることはプロでも大変です。また、適用の用件も非常に複雑です。しかし、会社としては上手く用いて少しでも税負担を軽くしたいところですし、会社に与える影響が大きくリカバリーしにくい(できない)トラブルが発生すれば賠償を求める依頼者も少なくありません。

日ごろから、リスク対策を

裁判や賠償請求となることは、誰にとっても望ましいことではありません。避けるためには、日々のリスク対策が大切です。

例えば、経営者の方であれば今後の売上や利益の見通しはある程度つけられるはずです。それをもとに早くから税理士との打合せを密にしていけば、自然と「あの申告は済んでいるだろうか」「取引先が話題にしていた優遇税制は選択可能だろうか」などと考えるようになるものです。そして、気になる点があれば、どんどん税理士に相談することがリスク対策となります。

裁判という最悪の結果を避けるために

税理士はとても頼りになる存在ですが、税務も含めた事業の主体はあくまでも経営者の方です。事業の先を見越して経営計画を立て、必要な措置を講じるのに、税理士はよきアドバイザーとなりますが、任せきりにしてはいけません。

そのためには、税理士に任せていることに関しても、常日頃から報告をしてもらい、理解・納得をできるようにしておきましょう。税理士との良好な関係を構築しておけば、裁判に至るような問題の発生を防ぐことができるはずです。