2019年9月20日

税務署上がりの税理士とは?税務署OBに依頼するメリットとデメリット

「税務署上がり」「税務署OB」「国税OB」等と呼ばれる税理士がいます。これらは、ほぼ同じ意味です。こうした言葉は、国税局や税務署といった税務に関する行政機関に勤務経験がある税理士のことを指しています。

では、このような税理士(以下、ここでは「税務署OB」とします)とは、どういった特徴を持っているのでしょうか。多数派である、いわゆる「試験組」と呼ばれる、税理士試験に合格して税理士になった一般の税理士とは、異なるのでしょうか。この違いを知っておくことは、税理士との良好な関係を築くためのヒントの1つになるかもしれません。

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一般の税理士との違い

一般的には、税理士試験に合格し、日本税理士会連合会(日税連)に登録することで税理士になる訳ですが、このルートとは少し異なるのが「税務署OB」です。主に2つのパターンがあります。

1、税務署勤務と並行して、税理士試験に合格するパターン

税務署に勤務経験があり、一定の条件を満たすと税理士試験の一部が免除されます。実務にあたっていた経験が評価される訳です。試験の一部が免除されるとはいえ、難関試験に合格して税理士資格を得たわけですから、たしかに「税務署上がり」ではありますが、一般の税理士に近い存在といえます。

2、税務署OBとして、税理士資格を得るパターン

一定の年数を税務署に所属して実務にあたっていた場合、税理士試験が免除されます。別途定められた研修を受ける必要はありますが、無試験で税理士の資格を得ることができます。こちらも「税務署上がり」であり、俗に「税務署OB」と呼ばれるのは、このパターンが特に多いようです。

税務署OBに依頼するメリット

では、一般の税理士と比べて、税務署OBに業務を依頼するメリットはあるのでしょうか。税理士自らが「税務署上がりである」ということを看板に掲げて営業している事務所は少なくありません。つまり、「自分は税務調査を行う側に長年いたのだから、その仕組みも傾向も熟知している。したがって、一般の税理士よりも、より税務調査対策には長けている」というわけです。

この主張は、ある程度評価できるのではないでしょうか。税務署上がりという言葉どおり、税務調査をする組織に属していた訳です。どんな会社が調査対象になるのかという基準であったり、調査上ポイントとなる部分に精通していることが期待できます。例えば、「このままの管理では、税務調査で指摘されますよ」「税務調査で指摘されないように、あらかじめ対応しておきましょう」といったアドバイスをしてくれるかもしれません。

なお、「税務署OBが顧問税理士をしていると、税務調査が来ない。税務調査が来ても手加減してくれる」という、なかば都市伝説のような言説があります。「元は、この税理士も税務署にいたのだから」「先輩にあたる人だから」等といった理由で調査官が税務調査を甘くするというのは、さすがに勘ぐり過ぎでしょう。しかし、税務の是非について結論を出す立場にあったことは、税理士の能力として活かされることには間違いはないでしょう。

税務署OBに業務を依頼するデメリット

しかし、税務署上がりであることが、デメリットとなることもあります。それは、「OB」であることに縛られすぎてしまうこともある、ということです。代表的なものとしては、勤務時代の感覚が抜けず、経営者(納税者)の視点よりも国税庁や税務署(課税者)の感覚で物事を捉えてしまうということです。

経営者の方からすれば、もしも税務調査が行われることになれば、当然顧客である自社の利益になるように対応することを顧問税理士には期待します。しかし、そのときに自分の味方であるはずの税理士が税務署側の感覚でいられては、税務調査はどのようになってしまうでしょう。例えば、交渉の余地がある指摘を、唯々諾々と受け入れてしまうかもしれません。最悪の場合、追徴課税となってしまうこともありえます。

また、税務は前例や判例の解釈次第で、結論が変わることもあります。税法をはじめとする税務に関する各種取り決めは、常に変化していきます。たびたび公開される通達や国税庁のタックスアンサーにも、実務の上で対応していかなくてはなりませんが、これが苦手な税務署OBもいるようです。「これは、法律で定められている!」と税務署OBが経営者の方に主張した内容について、よくよく調べてみると、その法律は改正されていた、という例もあります。

経営者が税理士に何を求めるかで、税務署OBの評価は変わる

税理士を選ぶ権利は顧客側にあります。ですから、経営者の方が、より適切な税理士を探すことになります。ここで、税務署OBだからといって、安易に契約することは危険です。上記のように、税務署OBにはメリットもデメリットもあるのです。

その税務署OBは、昔の意識を引きずったままの頭の堅い税理士ではありませんか?それとも内部事情を知っていることを上手に活かして、より経営者の方の力になってくれる税理士なのでしょうか?

この点を、しっかりと見極めて顧問契約をするか否か判断することになるでしょう。


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