増値税とは?中国ビジネスに欠かせない中国増値税のしくみと注意点 | 税理士コンシェルジュ

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増値税とは?中国ビジネスに欠かせない中国増値税のしくみと注意点

2020年8月27日
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増値税とは、日本の消費税に相当する中国の流通税の一種です。中国とビジネス取引をしている方であれば、ご存知のことでしょう。一方、これから中国へビジネスを展開することを検討している方であれば、「増値税」のしくみについて理解しておくことは大切です。この記事では、中国ビジネスに欠かせない増値税のしくみについて分かりやすく解説していきます。

増値税とは?

増値税とは、日本の消費税に相当する、中国税収の約4割以上を占める流通税の一種です。日本では、買い物をする際に消費税を負担しています。中国でも日本同様、買い物をすると「増値税」を負担することになります。

増値税は、「増値税納税額=売上増値税(売上×税率)ー仕入増値税(仕入×税率)」という計算式で求めます。増値税は付加価値にかかる税金なので、最終的には消費者が負担するしくみになっています。つまり、そのしくみは、日本の消費税のしくみとよく似ています。

では、ビジネスと増値税にはどのような関係があるのか、日本の消費税のしくみについておさらいしてみましょう。

増値税は消費税のしくみと似ている!

増値税は、日本の消費税のしくみとどのように似ているのでしょうか?そもそも消費税は、販売したモノの本体価格の10%を、本体価格とは別に顧客に支払ってもらうことです。そして、仕入れをする際には、本体価格に加え、本体価格の10%を合わせて支払います。

例えば、売上が1,000円であれば、その10%である100円を別に支払ってもらいます。また、仕入高が500円であれば、その10%である50円を仕入高とは別に支払います。そして、決算時には、支払ってもらった100円と、支払った50円の差額である50円(100円-50円=50円)を税務署へ納めます。

つまり、顧客からもらった10%・100円の内訳は、仕入先へ50円支払い、残りの50円は税務署へ納めるため、企業にとっては負担なしのゼロ円となり、最終的なコストは消費者が負担するしくみになっています。

なお、企業が仕入れをする際に負担する消費税は、「仕入税額控除」といいます。中国の増値税も、日本の消費税とよく似たしくみになっています。したがって、日本の消費税のしくみを理解していれば、中国の増値税についても容易に理解できるでしょう。

中国の増値税制度の概要

前述したように、中国の増値税のしくみは、日本の消費税のしくみとよく似た仕組みをしていますが、増値税制度は次のような点が基本となっています。

①税率に関して
中国国内でモノを販売したり、サービスを提供したり、モノを輸入したり場合は、増値税が課せられます。ただし、課税率は、日本の消費税のように一律ではありません。つまり、対象品目や売上の規模に応じて、異なる税率が課せられます。

なお、税制改革が行われ、本来16%だった標準税率は13%へ、10%だったものは9%へ変更されました。標準税率13%対象のものは、穀物、食用油、ガス、書籍などの特定品目などが該当します。9%対象のものには、農産物などが該当します。

また、小規模売上企業(年間売上が50万言以下など一定要件を満たしている企業)の場合は、仕入増値税の控除ができないため、課税率が3%へ軽減されます。

②申告納税に関して
増値税の申告納税は、通常、月単位で行います。申告納税の締切日は、翌月の15日となっています。なお、申告納税は、企業の本社の所在地で行うことが基本となっていますが、営業活動を行う支店があり、本社と支店が異なる県内にある場合は、本社と支店はそれぞれの所在地で申告納税をする必要があります。

③モノを輸入した場合
商品などモノを輸入した場合は、輸出品に係る仕入増値税が、0~17%還付されます。還付率は品目ごとに細かく設定されている上、随時、政策のため変更されています。ですから、輸出売上の多い企業は、その度、還付率を確認することができるでしょう。

④新設会社の場合
新設会社の場合は、売上高の大小を問わず、自動的に小規模売上企業とみなされます。したがって、仕入増値税の控除が適用されません。ですから、仕入税額の控除が可能な納税人資格を、適切なときに申請する必要があります。

⑤算定根拠
日本の消費税の場合、その額を求める際には会計帳簿を算定根拠として計算します。一方、中国の増値税の場合、会計帳簿ではなく、仕入先などから入手した「増値税専用発票」(増値税専用発票については後述します)などのインボイスを算定根拠として計算します。ですから、増値税インボイスを適切に保管しておくことはとても大切です。

増値税の課税対象は?

増値税は、モノやサービスなどすべての取引が課税対象になります。モノには食品をはじめとし、日用品や服飾まで、日本の消費税のようにすべてのものに課税されます。なお、これらのものを輸入したときにも、増値税の課税対象になります。

また、サービスには、交通運輸、郵便、貸付などの金融サービス、家賃、リース、メンテナンス、ホテル、医療、教育、レストランなどすべてのサービスに課税されます。

増値税と深い関係にある「発票」とは?

中国でお金のやりとりの際、「発票(中国語ではファーピャオ・fā piào)」という言葉を見聞きする機会が多々あります。発票とは、日本の領収書のようなものです。

日本では、接待のときなど経費として落としたいときには、支払いの際に「領収書」をお願いします。中国も日本同様、お金を支払った側が、発票を受け取ります。つまり、お金をもらう側が、発票を発行します。

ですから、日本の企業がサプライヤーから仕入を行い、お金を支払うなら、発票をもらうことになります。この発票には、仕入れの本体価格や増値税の額をはじめとし、サプライヤーの名前、仕入れたモノの名称、数量などを記載するよう法律で定められています。

増値税専用発票とは?

発票にはさまざまな種類がありますが、その中でも増値税と深い関係にあるのは「増値税専用発票」です。どのような深い関係があるのでしょうか?それは、増値税専用発票がないと、仕入控除ができないという点です。

前述したように、増値税専用発票を算定根拠として、仕入控除を行います。なお、発票は、そのフォームや配布は税務署が管理しています。発行する際に発票を使い切ってしまった場合は、税務署で支給してもらいます。

なお、増値税発票には、「増値税専用発票」のほかに「増値税普通発票」があります。前述したように、増値税専用発票は仕入増値税の控除や還付に使用する発票ですが、増値税普通発票は仕入増値税の控除や還付に使用することができません。

また、「増値税赤字発票」と呼ばれる発票もあります。この発票は、増値税専用発票の発行後に、返品や値引き、割戻しなどが発生した場合や、発票を間違えて発行してしまった場合などに使用します。この発票を使って修正や取り消しなどを行います。

「みなし販売」に要注意!

取引先相手に無料サンプルを配布した場合、お金ももらわない上、売上でもないのに増値税を課税されてしまうことがあります。この場合、お金をもらっていないため、会計上の売上取引ではありませんが、税務上では「みなし販売」と判断されてしまいます。したがって、自社に増値税の納税義務が発生します。みなし販売には、次のようなケースが該当します。

・自社製品を非増値税課税項目に用いた場合
・自社製品をサンプルとして出荷した場合
・自社製品を福利目的や個人消費で用いた場合
・自社製品を投資として現物出資したり、贈与提供した場合
・自社製品を県外にある支店へ移送したり、移送して販売した場合
・自社製品を個人に引き渡し、代理販売させた場合
・自社製品を代理販売した場合

これらのサンプル取引は、みなし販売と判断されるため注意が必要です。

仕入額控除が認められない例

モノを仕入れてお金の支払いも終了し、増値税専用発票をもらった場合でも、仕入税額控除ができないケースがあります。それには、次のような例が挙げられます。

①簡易課税方式、免税項目、福利厚生など個人消費のための購入貨物・加工修理労務・サービス・固定資産・無形資産・不動産など

②購入した貨物と、それに関連する加工修理労務、もしくは交通運輸などが人的要因による非正常損失となった場合

③仕掛品や製品、製品製造用に購入した貨物(固定資産は除く)と、それに関連した加工修正労働と交通運輸サービスが非正常損失となった場合

④不動産とその不動産の建築用のために購入した貨物、設計サービスもしくは建築サービスが非正常損失となった場合

⑤建設中消耗のために購入した貨物、設計サービスもしくは建築サービスが非正常損失となった場合

⑥購入した旅客運輸サービス、借入サービス、飲食サービス、居住者日常サービス、娯楽サービス

⑦その他財政部と国家税務総局が規定した項目

増値税業務のポイント!

増値税の申告納税や記帳業務などは、使用言語や専門性が高いことを考慮すると、現地従業員が担当するのが一般的です。しかし、財務部門管轄の日本人は、その内容や承認を行わなければいけません。

ですから、担当者は増値税業務を行う際、内容をしっかりチェックする必要があります。では、どのような点に注意しながら確認すればよいのでしょうか?増値税業務のチェックポイントを確認していきましょう。

仕入増値税のチェックポイント!

・仕入増値税インボイス(増値税専用発票)は、偽装ではなく、正規の伝票か?
・増値税専用発票の発行企業名と代金支払先名、また、記載貨物名と実際の貨物は一致しているか?
・輸送費発票の記載事項(出荷人・荷受人・発到着地・郵送方式・数量・金額など)はすべて正しいか?
・税関発行の増値税専用発票の事項はすべて正しいか?
・仕入返品や仕入割引をした場合は、仕入増値税控除が適性に処理されているか?

売上増値税のチェックポイント!

・商品出荷後、売上増値税発票を遅滞なく発行したか?
・売上返品、売上割引があった場合は、赤字発票の発行や記帳を適正に処理したか?
・みなし販売品や無償サービスを提供した場合、売上増値税を適正に処理したか?

まとめ

中国の増値税は、日本の消費税のしくみとほぼ同じです。しかし、発票に関しては、日本の領収書のようなものですが、脱税を防止するために、発票は税務署で厳格に管理されています。

なぜなら、偽物のコピー商品が流通しているからです。ですから、発票を発行するときはもちろん、受け取るとるときにも細心の注意を払いましょう。万が一、疑しいと感じる場合は、最寄りの税務局で確認されることをおすすめします。

また、中国では、法律が頻繁に改正されており、税率も多々変更されていますので、取引をする際には、もう一度法律を確認するようにしましょう。


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