2020年2月18日

「続柄」の正しい書き方とは?書き方の基礎知識

年末調整や確定申告など公的な書類を作成する際に設けられている「続柄」という項目。この言葉の意味をご存知ですか?書類によっては「あなたとの続柄」と書いてあることもあります。

この記事では、意外と勘違いしやすい「続柄」の意味や正しい書き方など、基礎知識について解説していきます。

「続柄」とは?その読み方と意味について

税金や社会保険などの公的な手続きの書類を作成する際、「続柄」という欄があります。現代では多くの方が「ぞくがら」と読むため、ぞくがらと読むのが一般的となっていますが、本来「つづきがら」と読みます。

では、続柄には、どのような意味があるのでしょうか?続柄は、親族との関係を明示するものです。一般的には「父」に対して「子」など、親族間の関係性を記入することが多いですが、親族でない人が同一世帯になり、住民票などに一緒に記載されることもあります。そのため、親族以外の続柄を記入するケースもあります。

いずれにせよ、続柄を見るなら、親子関係や婚姻関係などの間柄を知ることができます。続柄が使われる書類には、戸籍や住民票などが代表的な書類として挙げられます。また公的な手続きをする大切な書類にも、続柄を記載しなければいけません。ですから、続柄についての基礎知識や正しい書き方を知っておくことは、社会人としてとても大切です。

続柄は自分からみた「続く間柄」

続柄は、基本的に、世帯の中心人物から見てどのような間柄であるかを明示しています。特に日本では、戸籍の最初に記載されている戸籍筆頭者や世帯主などの特定の人を中心として、親族との関係性をとらえる慣習が現在でも続いています。

そのため、親族関係が記載される戸籍や、世帯の状況が記載されている住民票などの続柄の欄は、その中心人物から見てどのような間柄なのか、が分かるように記入します。つまり、親族の中心人物から「続く間柄」を表す言葉が「続柄」になるのです。

戸籍筆頭者とは?

戸籍筆頭者とは、戸籍の一番最初に記載されている人のことです。婚姻する夫婦が夫の氏を称するときは夫、妻の氏を称するときは妻、が戸籍筆頭者になります。戸籍筆頭者が亡くなり、その戸籍から取り除かれたとしても、戸籍筆頭者は変わることはありません。

世帯主とは?

世帯主とは、年齢や所得に関係なく、世帯の中心となって物事を取り計らう人、と定義されています。また、世帯とは、住居もしくは生計を共にするものが集まり独立して住居を維持することと定義されています。

「続柄」と「あなたとの続柄」の違いは何?

「続柄」と「あなたとの続柄」は、一見すると同じ意味のように見えますが、実は「あなたの」という言葉が入っているだけで、意味が大きく異なってきます。これらの違いをよく理解していないと、大事な書類で記載ミスしてしまうことになりかねません。

では、両者にはどのような違いがあるのでしょうか?「あなたの続柄」とは、その名の通り、「あなた」からみて「対象となる人物」との関係、つまり、あなたから見てどのような関係の人なのかを記載します。

例えば、会社員の方は年末調整の時期になると、「給与所得者の扶養控除申告書」を提出しなければいけません。この書類には、扶養家族について記入する欄があります。この場合、扶養家族に対して「あなたとの続柄」を書きます。そのため、妻を扶養しているのであれば「妻」、子どもを扶養しているのであれば「子」、母親を扶養しているのであれば「母」と続柄を記載します。

「あなたとの続柄」は、戸籍上の筆頭者や住民票の世帯主が誰であったとしても、変わることはありません。

税金関係の種類にある「あなたとの続柄」とは?

「あなたとの続柄」という項目は、主に税金関係の書類に多くある傾向にあります。上記でみたように、「あなたとの続柄」は、あなたから見て相手がどのような関係なのか、を記載します。「あなたとの続柄」を記載する公的書類には、「給与所得者の扶養控除等申請書」や「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」などの書類も該当します。

住民票の続柄は書き方にルールがある

住民票は、生活の拠点が変わるタイミングで移さなければいけません。一人暮らしを始めるときや結婚したとき、転勤したときなど、住民票を移す度に続柄を記載します。実は、住民票には、住民基本台帳事務処理要領で定められている続柄の書き方があります。それは次のようなルールです。

世帯を構成する人 続柄
世帯主 本人・世帯主
配偶者 妻・夫
夫婦と血縁関係のある子ども
夫婦と血縁関係のない子ども(養子)
世帯主の父母 父・母
配偶者の父母 妻の父・妻の母・夫の父・夫の母
兄弟姉妹 兄・弟・姉・妹
内縁の夫もしくは妻 夫(見届)・妻(見届)
配偶者の連れ子 夫の子・妻の子

このように、住民票の続柄の場合は、「世帯主からみた場合の関係」を記載するよう決められています。そのため、世帯主については、続柄が「世帯主」もしくは「本人」となります。また、世帯主と生計と同一している人の場合、それぞれの続柄を記載します。子どもについては、長男や次男、長女や次女など生まれた順番を記載は不要で、「子」と記載するだけです。

住民票は世帯主を起点として考えるので、配偶者の兄弟姉妹と一緒に生活をしているなら、「妻の弟」や「夫の姉」などと書くのが適しています。住民票の続柄には、書き方に規定が設けられていますが、書類によっては書き方が異なることもあるので注意してください。

年末調整での続柄の書き方とは?

年末調整の際に提出する「給与所得者の扶養控除等申告書」は、どのように記載すればよいのでしょうか?「給与所得者の扶養控除等申告書」の場合、上記で触れましたが、「続柄」ではなく、「あなたとの続柄」を記入する欄がいくつか設けられています。住民票のように世帯主を起点とするのではなく、申告者本人である「あなた」を起点とした続柄、つまり、あなたとの関係を記入します。

扶養控除申告書には、大きく2ヵ所「あなたとの続柄」を記入する欄が設けられています。1つ目は、1番上の記入枠に「世帯主の氏名」の欄の下に「あなたとの続柄」の欄があります。ここに世帯主であるあなたにとってどのような関係なのか、を記入します。

2つ目は、その下の記入枠に不控除対象扶養親族の氏名欄の横に「あなたとの続柄」の欄があります。ここには、控除対象となる扶養親族が、あなたにとってどのような関係なのか、を記載します。

なお、この欄に記載できるのは16歳以上の控除対象者のみです。16歳未満の扶養家族がいる場合は、書類の一番下の「住民税に関する事項」欄に情報を記載する必要があります。

確定申告での続柄の書き方とは?

確定申告では「所得税及び復興特別所得税の申告書A・B」に続柄を記入する欄がありますが、どのように記載すればよいのでしょうか?確定申告書の続柄の場合、住民票同様、世帯主を起点とした続柄、つまり関係を記載します。書類には「世帯主の氏名」を書く欄があり、その横に「世帯主との続柄」という欄があります。申告者本人が世帯主であれば、「本人」と記載します。

続柄の書き方まとめ

続柄には、次のようなものがあります。すべてをみてみましょう。

本人や配偶者(夫・妻)の続柄の場合

・本人の続柄:「本人」
・配偶者の続柄:「夫」「妻」
・事実婚の続柄:「夫(未届)」「妻(未届)」

事実婚とは、夫婦として一緒に暮らして生計を共にしていても、婚姻届を提出していない関係のことです。法律上では「内縁関係」と呼ばれています。そのため、「夫(未届)」「妻(未届)」となりますが、戸籍上ではこのように記載されません。

なお、すでに一緒に暮らし、同一世帯の住人として住民登録をしている場合は、住民票の続柄が「同居人」となります。また、同居をして生計を一緒にしている「彼氏」や「彼女」などの恋人の場合も続柄が「同居人」となります。

しかし、続柄を「同居人」ではなく、「事実婚」とするためには、「世帯変更届(住民異動届)」を提出しなければいけません。世帯変更届の続柄を「夫(未届)」または「妻(未届)」と変更することで「事実婚」であることを証明することができます。

娘や息子・孫との続柄の場合

・娘や息子など自分の子どもの続柄:「子」
・再婚相手の子どもの続柄:「夫の子」「妻の子」
・事実婚で再婚した相手の子どもの続柄:「夫(未届)の子」「妻(未届)の子」
・届出が出せない事実上の子どもの続柄:「縁故者」
・孫の続柄:「子の子」

このように養子縁組した子どもは、すべて続柄が「子」になります。つまり、再婚相手の子どもと養子縁組をしていれば、続柄が「子」になります。しかし、養子縁組をしていないなら「夫の子」や「妻の子」になります。

また、届出が出せない事実上の子とは、何かしらの理由により、養子縁組をすることができない子どものことです。例えば、結婚しているのに別の人と事実婚をしていて、その事実婚の人との子どもなどが、養子縁組を組めない子どもに該当します。結婚している人は事実婚の届け出を提出することができないので、続柄に「縁故者」と表記します。

両親・義理の両親との続柄の場合

・両親の続柄:「父」「母」
・妻(夫)の両親の続柄:「妻(夫)の父」「妻(夫)の母」

姑や姑などと呼ばれる義理の両親は、「夫の父」や「夫の母」など具体的な表記で続柄を記載します。

兄弟と義理の兄弟の続柄の場合

・兄弟の続柄:「兄」「弟」「姉」「妹」
・妻(夫の兄弟の続柄:「妻(夫)の兄」「妻(夫)の弟」「妻(夫)の姉」「妻(夫)の妹」

義理の兄弟の続柄を記入する際には、「夫の兄」「夫の弟」など具体的に示します。兄弟が何人いたとしても、書き方は同じです。例えば、兄が2人いる場合は、どちらも「夫の兄」と記載します。「長男」や「次男」などと記載する必要はありません。

祖父母との続柄の場合

・父方の祖父母の続柄:「父の父」「父の母」
・母方の祖父母の続柄:「母の父」「母の母」

通常、「祖父母」と呼んでいる関係でも、戸籍や住民票などでは「父の父」や「父の母」などの表記で記載します。これにより、父方の祖父母なのか、母方の祖父母なのかを、すぐに知ることができます。

叔父や叔母との続柄の場合

・父方の叔父や叔母の続柄:「父の兄」「父の弟」「父の姉」「父の妹」
・母方の叔父や叔母の続柄:「母の兄」「母の弟」「母の姉」「母の妹」

祖父母同様、叔父や叔母との関係も、父方の叔父や叔母なのか、母方の祖父や叔母なのかが一目で分かる表記で記載します。

その他の続柄について

・子どもの夫や妻の続柄:「子の夫」「子の妻」
・いとこの子どもやはとこの続柄:「縁故者」
・他人の続柄:「同居人」

まとめ

「続柄」の正しい読み方は「つづきがら」ですが、現代では「ぞくがら」と読むのが一般的となっています。続柄は本来、戸籍筆頭者や世帯主などの親族の中心となる人物からみた間柄を示すものです。それにより、その人との関係性が一目で分かり、誰と一緒に生活を共にしているかを明らかにすることができます。

住民標に記載される続柄は、住民基本台帳事務処理要領で書き方のルールが設けられていますので、その規定に従って記載するようにしましょう。ただし、続柄の書き方は、「続柄」もしくは「あなたとの続柄」など、書類によって書き方が異なりますので注意してください。

ちなみに確定申告書の場合は、住民票のように「世帯主からみた間柄」を記載しますが、年末調整に作成する扶養控除申告書は「申告書からみた間柄」記載する必要があります。どのように書いたらよいのか迷ってしまった場合は、「誰から見て」の続柄なのかを冷静になって考えるなら、正しい続柄を記載できるでしょう。

続柄を記載する年末調整や確定申告書などは大事な公的書類ですので、間違えないように気を付けて書くようにしましょう。

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