2020年4月6日

確定申告の還付金はいつ・どのように戻ってくる?その仕組みを詳しく解説

還付金毎月の給与から天引きされていた源泉徴収が、年末調整や確定申告をすることで「還付金」として払いすぎた税金が戻ってきます。では、還付金を受け取ることになった場合、いつ、どのように戻ってくるのでしょうか?この記事では還付金のしくみや、還付金が戻ってくるまでの流れについて解説していきます。
参照:どうなる2020年の確定申告?4月17日(金)以降も申告可能に!

還付金とは?

一般的な会社員の場合は、毎月の給与からすでに税金が自動的に天引き、つまり源泉徴収されているため、確定申告をする必要はほとんどありません。しかし、源泉徴収された所得税や予定納税額が多かった場合などは、確定申告をすることで納め過ぎた税金を戻してもらえます。このように納税者へ払い過ぎた税金が戻ることを「還付金」と言います。

この還付を受けるためには、「還付申告」をする必要があります。還付申告は、給与所得者だとしても申告することが可能です。

年末調整で還付金がもらえる理由とは?

年末調整で還付金がもらえるケースがあるのはなぜでしょうか?その理由を知る前に、まず年末調整のしくみを理解する必要があります。

年末調整のしくみについて

年末調整とは、1年間に支払った税金を調整する作業です。給与所得者の場合は、毎月の給与や賞与が支払われる際に、事業主側が源泉徴収により税金を差し引いています。しかし、源泉徴収では、個々の事情に応じた税金の控除を把握することはできません。

その結果、税金が自動的に余分に差し引かれてしまうことがあります。そのため、年末にその年に支払った税金をまとめて計算をしなおし、余分に支払った税金を納税者に払い戻すことが「年末調整」です。

ちなみに、年末調整と似たようなしくみをしている「確定申告」もありますが、年末調整は所属している企業や会社など事業主側が申告するのに対し、確定申告は個人で申告する、という違いがあります。

還付金の計算方法について

年末調整では、年間給与所得から様々な所得控除の対象となる金額が差し引かれます。そして、本来の年間所得を計算します。その本来の所得金額から算出した所得税額が、本来支払うべき所得税額になります。毎月概算で支払っていた源泉所得税額の合計よりも少ない場合は、税金の払いすぎになるため、還付金として払い過ぎた税金が戻ってきます。

一方、本来の所得税額が、毎月概算で支払っていた源泉所得税額よりも多い場合は、追加して税金を納めなければいけません。

確定申告で還付金を受けるには?

確定申告は、確定申告の期間とは別に行うことが可能です。確定申告書を提出できる期間は、還付の該当する年の翌年1月1日から5年間と決められています。つまり、確定申告をする必要がないと思っていた人でも、後日、控除することができると分かった場合、該当する年の翌年から5年以内であれば、申告書を提出することができ、還付金を受け取ることができるのです。

還付金を受け取ることができる人とは?

還付金を受け取ることができるのは、勤務先で把握できなかった所得控除の対象者となっている人です。例えば、生命保険料などの支払い額に応じた控除、住宅ローンの控除、配偶者や扶養家族に対する控除、本人や家族などの障害控除などが挙げられます。

それとは反対に、扶養家族の人数が減った方や、解約や満了などの理由で保険料や住宅ローンの支払いがなくなった方などは、控除額が減るので還付金額も少なくなる、もしくは追加徴収になることもあります。

確定申告で還付金を受け取れるケースとは?

「収入源は給与だけ」という理由から、確定申告をする必要はないと思っている方がいるかもしれません。しかし、そのような方でも、還付金を受け取ることができる可能性があります。なぜなら、給与から差し引かれている源泉徴収税の計算方法では、個人の事情に応じた控除を適用していないからです。

通常は、年末調整で控除内容を事業主側に申請すると、過不足額の精算が行われます。確定申告で還付金を受け取れるケースは、年末調整で事業主側に控除書類の提出しなかった場合や、年末調整では受けることができない控除をうけたい場合、が該当します。

では、年末調整で受けることのできない控除には、どのような控除があるのでしょうか?還付金を受け取れる可能性があるので、それを把握しておくことは大切です。

年末調整の適用漏れは確定申告で還付金を受け取ること

事業主側は、従業員一人ひとりの諸事情を把握することができないため、年末調整で対象となっている控除金額が差し引かれていないことがあります。例えば、年末調整の際に、「生命保険料控除証明書」の提出を忘れたり、「扶養控除等(異動)申告書」の提出した後に配偶者を控除の対象とした場合など、控除が適用されていません。

また、初めて住宅ローン控除を受ける年度は、年末調整でローン控除を受けることはできないので、確定申告をする必要があります。年末調整で適用漏れで受けることができなかった控除は、翌年の確定申告で申告するなら、還付金を受けることができます。

医療費控除は確定申告で還付金申請をすること

確定申告の際の還付金で、最も申請が多いのは「医療費控除」だと思われます。医療費控除は、年末調整で行うことができないため、その年に医療費や治療費などと思われる支出があった場合は、控除の対象となる可能性があります。

医療費控除の計算方法について

医療費控除は、ケガや病気などの治療費や入院費、薬代、交通機関による病院までの交通費などが対象となります。予防接種や美容・健康目的の医療行為は適用外となります。そのことを踏まえた上で、その年の医療費のレシートなど証明するものが必要となります。

医療費控除は、「医療費控除=医療費控除の対象となる医療費-保険金など補てんされた金額-10万円、もしくは総所得金額×5%(総所得200万円未満の場合)」という算式で算出します。算出された金額がゼロ、もしくはマイナスの場合は、医療費控除を受けることはできません。

還付申告に必要な書類とは?

還付申告をするための専用の申請書は特別に用意されていません。還付申告をする際には、一般的な確定申告をする際に使用する「確定申告書A・B」に内包されています。還付申告を記入する際には、「確定申告書」「源泉徴収票」「領収書・証明書等控除関係書類」「印鑑(シャチハタは不可)」などが必要です。

還付金額の申告書記入方法について

「確定申告書A・B」の書類には、「還付される税金の受取場所」という欄があります。その欄には納税者本人の「銀行名」「支店名」「口座番号」を記入する欄が設けられています。銀行・信用金庫等の口座への振り込みと、ゆうちょ銀行の貯金口座への振り込み、のいずれかを選択します。振込口座は、本人名義と限られており、家族などの名義は指定することはできませんので注意してください。

これらをもれなく記入し、確定申告書の必要な箇所すべて記入が済んだら、管轄地区の税務署へ提出します。あとは、国税庁の処理が完了したら、払い過ぎた税金が確定申告書に記入した銀行口座へ、税務署という振込人の名前で還付されます。

確定申告から還付金を受け取るまでに流れについて

還付金は、いつ振り込まれるのか、その期日は決まっていません。それは、確定申告した時期や、確定申告の提出方法が人それぞれ異なるからです。確定申告をしてから還付金を受け取るまでは、およそ1~2ヶ月ほどかかります。

税務署の混雑状況にもよりますが、一般的には早く申請すればおよそ1ヶ月ほど、確定申告の期限ギリギリに提出すると2ヶ月ほどかかると言われています。しかし、e-taxで確定申告をした場合は、3週間ほどで還付金を受け取ることができます。

確定申告書を税務署に持参した場合

確定申告書を税務署に持参し、還付金手続きをした場合は、還付金を受け取るまでに、およそ1~2ヶ月かかります。申告書類を税務署が確認し、書類に不備や記載ミスがなければ還付が確定します。その後、還付金額と振込日が記載されたはがきが届きます。

確定申告書を郵送で提出した場合

確定申告書は、郵送を通して税務署に提出することも可能です。郵送で提出した場合も、税務署に持参して提出するのと同様、還付金の振込までにはおよそ1~2ヶ月かかります。なお、郵送で提出する場合は、消印の日付が提出日となります。ポストの回収時間によっては、日付が翌日になってしまう可能性もありますので、期限ギリギリに投函することは控えるようにしましょう。

e-taxで確定申告をした場合

e-taxを利用した電子申告をした場合は、税務署に持参したり、郵送で提出するよりも早い、およそ3週間程度で還付金を受け取るができます。e-taxのログインすれば、還付金の支払い予定日や金額など、還付金の処理状況についてもすぐに確認できるというメリットがあります。

間違って申告してしまったときの対処法について

確定申告の期限を過ぎてから、確定申告の計算間違いに気づく方がいるかもしれません。もし税金を多く支払い過ぎてしまった場合は、払いすぎた税金を取り戻すことが可能です。このように、再計算をして税金の還付を請求する手続きのことを「更正の請求」といいます。

なお、確定申告の期間内に間違いに気付いたのであれば、「訂正申告書」を提出することで、払いすぎた税金が戻ってきます。

まとめ

確定申告をすることで、還付金が戻ってくることがありますので、還付がもらえるかどうか、自分の状況を確認することは大切です。もし還付がもらえるようであれば、確定申告で還付申告をしましょう。確定申告について分からないことがある方は、確定申告について詳しい税理士に相談することもおすすめです。

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