2019年9月27日

ダブルマスター税理士の特徴とメリット・デメリット

ダブルマスター税理士の特徴とは

税理士資格を取得するには、いろいろな方法があります。その取得方法の違いが税理士としての能力や得意分野に関係してきます。

税理士資格を得る方法の1つとして「ダブルマスター」と呼ばれる方法があります。この方法で税理士資格を得た人達は、高度な学習能力を持つことが魅力的ではありますが、そのことによる不安要素もあります。特徴をしっかりと把握しておくことは、税理士への理解を深める一助となるでしょう。

そこで、ダブルマスター税理士にはどのような特徴があり、依頼者側にはどのようなメリット・デメリットがあるのかについて挙げていきます。

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ダブルマスターとは?

税理士資格を得る方法としては、国家試験に合格することが一般的ですが、その他にも様々な方法があり、受験資格を得る要項にもいろいろな規定があります。

例えば、いわゆる『税務署上がりの税理士』と呼ばれる税理士(税務署OB)は、税務署で長年実務にあたった経験を評価され、一定の研修を受けることで試験を免除され、税理士資格を得ることができます。

また、税理士試験を免除される条件としては、大学の修士号を2つ獲得する、というものもあります。税理士試験は主に税法に関する3課目と、会計に関する2課目に分けられますが、法律・財政系の修士となることと、商学系の修士となることで幾つかの試験が免除されるのです。これがダブルマスターと呼ばれているものです。

なお、ダブルマスターには修士号取得に加え、税法・会計課目のそれぞれ1課目は試験に合格することが求められています。これは、学問としての法律学や商学がカバーする範囲と、税理士としての要件に大きなズレが生じないようにするため、また、試験合格による資格取得者との整合性を図ろうとするための対策です。

ダブルマスター税理士の2つのメリット

では、ダブルマスターによって税理士資格を得た人に仕事を依頼する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。

1、高度な学習機会を経てきている

前述のとおり、修士課程において学習する内容は、税理士業務と関係性があることが求められます。実務と学問とは異なるとはいえ、特定分野において高度な学習機会を経てきているのですから、深い理解を備えていることが期待できます。

2、勉強法を知っている

税理士は、税理士になってからも学習を続ける努力が必要です。毎年税法の改正があり、社会情勢に即して判例等も積み重なっていくからです。「合格したから、もう勉強しない」などという姿勢では、税理士の仕事は務まりません。

ダブルマスターの税理士は、自分なりの勉強法を確立しており、学ぶことに対して優れた能力があることを、修士号を2つも取得したという事実をもって証明しています。このことは、税理士になってからもアドバンテージとして働いてくれるでしょう。

ダブルマスター税理士の2つのデメリット

それでは、ダブルマスター税理士のデメリットには何があるでしょうか。

1、知識はあっても税理士業務に即していない可能性

ダブルマスターによる税理士資格取得の条件にも、改正が加えられてきています。これにより、ダブルマスターの税理士にも職業人としての税理士となるに相応しい見地を持つことがより求められるようになりました。

しかし、ダブルマスターの税理士には学問的知見を優先する傾向がいまだにあることは否めず「税理士としての意識は不足しているが、資格取得だけはしている」というケースも見受けられます。

例えば、税理士のアドバイスに対して「理屈ではそうなんだろうけど・・・」「実際にどうすればよいのかを教えてほしいのにな」といった不満を依頼者が抱く場合もあるかもしれません。

2、税理士試験を回避するためのダブルマスターである可能性

良し悪しは別として、ダブルマスターは一般的な税理士試験を回避する方法の1つではあります。

税理士になろうとする場合、試験をパスする過程において、税法について広く基礎的な知識や考え方を得ていきますが、ダブルマスターにより税理士資格を得る場合、専門的ではあるものの偏った知識に陥りやすいことがあります。なかには、税理士としての職業意識に欠ける人もいるかもしれません。

もちろん、すべてのダブルマスター税理士がそうである、というわけではないのですが、傾向としては見受けられるところです。

ダブルマスターでも試験組でも、実務能力は本人次第

試験が大部分免除される点において、税理士を目指す人にとっては魅力的なダブルマスターの制度ですが、2つの修士取得というものも、また高い壁ではあります。その高い壁を超えて税理士になったということは、かなりの能力が期待できるでしょう。一方で、理屈ばかりの頭でっかちな税理士も生んでいるのかもしれません。

しかしこのことは、試験合格により資格を得た、いわゆる「試験組」の税理士にもいえることです。

つまり、肝心なことは税理士としての実務能力であり、それは実践のなかで育まれていくものだということです。どのように資格を得たのかということは、実務能力とはまた別の問題です。実務能力を磨くためには、本人の学ぶ姿勢が何より大切ですし、自分なりのよりよい税理士像を目指して、切磋琢磨していく必要があります。

ダブルマスターが備える「学ぶ力」は、この点においてプラスに働くでしょう。この「学ぶ力」がダブルマスターの強みです。自身の強みを過信することなく、依頼者に寄り添う姿勢を常に忘れないダブルマスターであれば、きっと経営の助けになってくれるでしょう。

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