会社設立を設立するならどの形態?会社設立の手順【完全版】 | 税理士コンシェルジュ

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会社設立を設立するならどの形態?会社設立の手順【完全版】

2020年10月5日
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「起業したい!」「新たに法人を設立したい」など会社設立を検討している方は少なくありません。すでに個人事業主として事業を営んでいる方の中には、法人化を検討している方もおられることでしょう。

今回は、会社設立を検討している方を対象に、会社形態の選び方や違い、設立までの流れ、メリット・デメリットなどについて解説していきます。

株式会社と合同会社の特徴と設立するメリット

会社法に規定されている会社形態には、「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4種類あります。しかし、出資者は出資額の範囲を超えて責任を負う「無限責任」のリスクを伴います。したがって、株式会社か合同会社のいずれかの形態を選択することが一般的です。では、両者にはどのような違いがあるのでしょうか?

株式会社の特徴とメリット

株式会社を設立する最大のメリットは、「社会的な信用度が高い」ことです。そのため、取引できる相手の範囲を広げることができます。また、税金や節税対策の面でも、株式会社は有利になります。 個人事業では経費として認められないものが、法人化することで経費として計上できるものがたくさんあります。

合同会社の特徴とメリット

合同会社(LLC)も、株式会社同様、「社会的な信用度が高い」というメリットがあります。合同会社も法人ですので、多くの企業と取引をすることができます。株式会社と異なるのは、低コストで会社設立と維持ができる、というメリットです。特に小規模の事業の場合は、会社設立のコストを抑えられることは大きなメリットとなるでしょう。

また、株式会社のように株の利益配分がないため、出資比率に関係なく、自由に利益配分できることもメリットと言えます。つまり、株式会社よりも自由に事業を進めることが可能となっています。そのため、近年は合同会社を設立する方が増えています。

株式会社と合同会社の違いとは?

株式会社と合同会社には、次のような違いがあります。

【商号】
株式会社:商号に「株式会社」を入れる
合同会社:商号に「合同会社」を入れる

【出資者の名称】
株式会社:株主
合同会社:社員

【役員】
株式会社:取締役を1名以上
合同会社:社員(出資者)1名以上

【取締役の任期】
株式会社:原則2年。ただし、株式譲渡制限会社の場合は、最長10年までのばすことが可能。
合同会社:なし

【最高意思決定機関】
株式会社:株主総会
合同会社:社員全員(出資者全員)

【決算報告】
株式会社:毎年事業ごとに必要
合同会社:不要

【代表機関】
株式会社:取締役、もしくは代表取締役
合同会社:各社員(各出資者)、もしくは業務執行員

【利益の配分】
株式会社:出資割合
合同会社:原則、出資割合。ただし、出資割合にしない旨を定めることも可能。

【株式の譲渡】
株式会社:自由
合同会社:社員全員の同意が必要

【株式の公開】
株式会社:公開できる
合同会社:(株式がないため)公開できない

【設立時の定款認証手続き】
株式会社:必要
合同会社:不要

【設立時の登録免許税】
株式会社:最低15万円
合同会社:6万円

このように株式会社と合同会社には、多くの違いがあります。その中でも特に大きな違いは、設立費用です。では、会社設立にかかるコストについて確認してみましょう。

【株式会社の設立にかかる費用】
株式会社を設立する場合、法定費用として、公証役場で行う「定款の認証」にかかる手続きにコストがかかります。定款の認証手数料5万円と謄本手数料の2千円、定款に貼り付ける収入印紙は4万円(電子定款の場合は不要)が必要となります。

さらに登記の際には、登録免許税が最低で15万円かかります。ただし電子定款を利用する場合は、収入印紙は不要となります。また、株式会社の場合は、「会社の実印」を作成しなければいけません。印鑑を作成するお店にもよりますが、相場は約5千円前後です。

それに加えて、発起人は個人の印鑑証明の取得費用として1枚300円、登記簿謄本の発行費用500円が、必要枚数に応じてかかります。印鑑登録をしていない場合は、登録代も発生します。このように設立には雑費代もかかってきます。

【合同会社の設立にかかる費用】
合同会社を設立する場合、法定費用として、定款の収入印紙代4万円と、登録免許税の6万円が必要となります。電子定款を利用する場合は、収入印紙は不要なので、さらにコストを抑えることが可能です。また、株式会社と違い、定款認証が不要であるうえ、登録免許税も安いため設立コストを圧倒的に抑えられます。

合同会社の実例

株式会社と合同会社を比較すると、株式会社の方が有利なのでは、と思われる方も多いことでしょう。しかし、私たちも周りには、知名度の高い合同会社がたくさん存在しています。その一部をご紹介しましょう。

・アップルジャパン
iPhoneやiPadなどで知名度の高いアップルジャパンは、合同会社という会社形態です。大きな会社なので株主総会と思われがちですが、合同会社でも規模を拡大することが可能です。

・アマゾンジャパン
アマゾンジャパンも合同会社のひとつです。

・Googleジャパン
Googleは、1988年に非公開の会社として設立されましたが、Googleの日本法人として合同会社という会社形態を選択しています。

合同会社と聞くと、株式会社よりも認知度が低く、規模が小さいというイメージを持たれる方もいるかもしれません。でも、現在では、知名度の高い大きな企業でも合同会社を会社形態として選んでいる企業はたくさん存在しています。

会社設立までの流れ

では、会社を設立するための具体的な手順をみていきましょう。

ステップ1:会社設立事項の決定

まず会社設立の絶対記載事項を決定します。定礎を作成するためには、まず基本的な事項を決定しておく必要があります。最低限決めておくべき事項には、次の8つの項目が挙げられます。

【商号】
・商号には、必ず「株式会社」、もしくは「合同会社」を入れる。
・個人事業の名称を引き継ぐことも可能。

【本店所在地】
・事業を営む場所と異なっていても可能。
・事務所を借りる予定の場合は、会社設立前に決定する必要がある。
・レンタルオフィスやバーチャルオフィス、自宅などでも可能。
・当期後に移転手続きをすると、再度登記費用が発生する。

【資本金】
・資本金は1円から株式会社の設立は可能。
・初期費用と半年分以上の経費を含めた運転資金を用意するのが目安。
・融資を受ける場合は、最低金額が設定されていることもある。
・資本金1,000万円未満であれば、消費税が2年間免除となる。

【事業目的】
・事業目的、つまり事業内容を明確にしておくこと。
・事業目的は、定礎に何個でも記載することが可能。したがって、一般的には、将来行う予定の事業も記載する。
・業種によっては、記載されていないと公的な許認可がとれないこともある。

【設立日】
・登記の申請日が会社設立日となる。

【事業年度(会計年度)】
・会社の売上、経費を計算し、決済するタイミング「決済期」から、次の決算期までの「事業年度(会計年度)」を決める。
・多くの企業では、4月事業開始~3月決算を採用している。

【株主の構成(発起人の決定)】
・発起人はお金を出資する人のことを指し、会社設立後は「株主」と呼ばれる。
・1人以上いれば、株主の構成が認められる。

【役員の構成】
・会社の運営を担う「役員」、つまり、取締役や代表取締役、監査役などを決定する。

ステップ2:印鑑の作成

続いて、印鑑の作成手続きに入ります。法務局へ会社設立登記申請をする際、会社の印鑑が必要となりますので、まずは「会社の実印」を作成します。その際、今後必要となる「銀行印」「角印」「住所印」なども一緒に作成するなら、手間と時間を省くことができるでしょう。

ステップ3:定礎の作成

定礎とは、会社の組織や運営に関する基本的なルール、いわば会社にとっての憲法のようなものです。会社の設立手続きを行う際には、必ず作成する必要があります。定礎は発起人全員で作成します。その内容は、ステップ1で決定した会社設立事項、つまり「絶対的記載事項」と、「相対的記載事項」「任意的記載事項」で構成されます。

絶対的記載事項は法的に定められいる項目を記載することが義務付けられていますが、相対的記載事項と任意的記載事項に関しては、発起人で話し合って決定したものを記載することができます。

ステップ4:定礎の認証

定礎が完成した後は、第三者によるチェックが入ります。定礎が正しく作られており、有効なものであることを証明するために「定礎の認証」を、本店所在地の管轄地区の公証人役場で行います。公証役場と呼ばれる機関に属する公証人が、定礎を認証することで定礎の意味を発揮します。

定礎の認証の際には、次のものが必要となります。

・定礎3通
・収入印紙
・公証人へ支払う手数料
・定礎の謄本
・発起人全員の印鑑証明書

なお、合同会社の場合は、定礎を作成する必要はありますが、公証役場での定礎の認証は不要です。

ステップ5:出資金の払い込み

定礎が認証された後は、資本金の払い込みです。会社の資本金なので会社の通帳に払い込むものと思われがちですが、会社の通帳は会社設立後でないと口座を開設することができません。したがって、株主(発起人)の個人口座へ振り込むことになります。その際、「口座残高」ではなく、「払込額」は出資額となるようにする必要があります。

ステップ6:登記申請書類の作成と申請

つづいて、法務局へ提出する登記申請書類の作成と申請です。登記申請書類に登録する主な事項には、商号・所在地・公告の方法・事業目的・発行可能株式総数・発行済株式の総数・資本金の額・株主の譲渡制限に関する規定・役員に関する事項などを記載します。

その後、完成した書類を法務局へ提出し、登記申請を行います。申請方法は、法務局の窓口へ直接持参するか、郵送での提出から選択できます。

ステップ7:各種届出

会社登記が完了したとしても、まだやるべきことは残っています。それは、開業のための各種届出です。では、各種届出提出先ごとに、必要な提出書類を確認していきましょう。

【金融機関】
・口座開設申込書
・履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
・定礎の写し
・会社の印鑑証明書
・届出済みの会社の実印
・銀行印に使用する印鑑

これらの必須提出書類には提出期限はありませんが、設立後早めに提出されることをおすすめします。

【税務署】
・法人設立届出書
・履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
・定礎の写し
・設立時の貸借対照表
・株主名簿の写し(株式会社設立の場合)
・現物出資がある場合は出資者の氏名と出資金額を記載した書類(合同会社設立の場合)

これらの書類は、会社設立後2ヶ月以内に提出する必要があります。

一方、以下の書類に関しては、提出期限が異なります。

・青色申告の申請書
設立後3カ月以内に提出する必要があります。その前に事業年度終了がくる場合は、その前日までに提出してください。

・給与支払事務所等の開設届出書
1回目の給与支払い日が提出期限となります。

・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(従業員10人未満で適用を受ける場合)
適用を受ける月の前月までに提出する必要があります。

・棚卸資産の評価方法の届出書
第1期確定申告書の提出期限までに提出する必要があります。

・減価償却資産の評価方法の届出書
第1期確定申告書の提出期限までに提出する必要があります。

・消費税課税事業者選択届出書
適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに提出する必要があります。

【都道府県事務所】
・法人設立届出書
・定礎の写し
・履歴事項全部証明書(登記簿謄本)

都道府県によって、提出期限が異なりますので確認してください。

【市区町村の役所】
・法人設立届出書
・定礎の写し
・履歴事項全部証明書(登記簿謄本)

各市区町村の役所によって、提出期限が異なりますので確認してください。

【年金事務所】
・新規適用届新規適用事業所現況書の添付書類
・事業所(事務所)の賃貸借契約書(賃貸の場合)
・口座振替依頼書

これらの書類は、会社設立後5日以内に提出する必要があります。

まとめ

法人として会社を設立することは、生涯に1度あるかないかの経験です。つまり、何もかもが初めての経験となるはずです。さまざまな手続きがあるため難しく感じる方もいるかもしれませんが、1つ1つの手順を押さえれば、初めての方でも会社を設立することができます。

もちろん、専門家に相談することもひとつも方法です。いずれにせよ、設立前からしっかりしたプランを立てておくことが成功へとつながることでしょう。


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