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監査役は何をしてる人?役割や権限など監査役の基本知識

2020年8月5日
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みなさんは「監査役」は、普段どのような仕事をしておられるかご存知ですか?おそらく多くの方が、「監査役は、何をしているのかよく分からない・・」と思われているのではないでしょうか?

監査役について知ることは、会社運営の基本知識でもあります。この記事では、監査役の役割や権限など監査役についての基本知識について解説していきます。

監査役とは?

監査役とは、会社が不祥事や法令違反をしないように見張る役割の人のことです。会社は、自社が健全的に運営されることを目的とし、監査役を設置します。したがって、会社がお金を支払い、監査役を雇うことになります。

つまり、監査役の報酬は、会社から出るということです。この考え方は、会社は経営者のものではなく、株主のものであるという考え方が基本となっています。

基本的な役割

監査役は、基本、企業の中では役員と同等の立場として扱われています。しかし、監査役という立場は、取締役や役員からは独立した立場になります。

なぜなら、取締役や役員など会社に経営者が、株主に対して不利益なことをしていないかを「管理」「監督」「監査」する役割を担っているからです。そして、監査役が担う職務は主に2つ、「業務監査」と「会計監査」に分類されています。

業務監査と会計監査

では、業務監査と会計監査とは、どのような職務なのでしょうか?

【業務監査】
業務監査とは、株主に対して不利益なことが生じないように、取締役の職務の執行を監査することを主な目的としています。そのため、監査役は、取締役や役員、労働者に対して、職務内容の報告などをいつでも求めることができます。さらに、その企業が良質で健全な企業として、社会から信頼される企業となるようサポートする責務も担っています。

【会計監査】
会計監査とは、計算書類やそれに関する明細書類などの監査を行うことを主な目的としています。それには報告書の作成や、連結計算書類の監査なども重要な仕事として監査役が行います。

監査役の権限

取締役会では、取締役が職務について報告がなされます。そして、そこで不正や違法行為が起きないように確認します。しかし、取締役会が正常に機能しないこともあるため、取締役の職務執行を監査する役割として、監査役には権限が与えられています。会社法で、監査役に与えられている権限には、次のようなものがあります。

・取締役に対しての事業報告請求権
・取締役の職務の執行監査
・取締役会や株主総会などへの出席義務と監査結果を報告する意見陳述義務
・子会社を含む事業の状況や現状についての調査権
・取締役の不正行為を差し止めを請求する違法行為差止請求権
・取締役会の招集請求権
・取締役と会社間の訴訟代表権

監査役を設置する基準とは?

会社法では、「監査役の設置は任意であり、選任しなくてもよい」と規定されています。つまり、株式会社が監査役を設置するかどうかは、義務ではなく、任意となっています。ただし、「取締役会設置会社と会計監査人設置会社は、監査役を置かなければならない」と規定されています。

なお、監査役を設置することが義務付けられている取締役会設置会社と会計監査人設置会社の2つの会社のことを、「監査役設置会社」と呼んでいます。監査役設置会社には、取締役会を設置した会社、または資本金を5億円以上計上している会社、もしくは負債として計上した合計額が200億円以上の会社などが該当します。

監査役に選任される人とは?

監査役になるために、特に求められている資格はないため、誰でも監査役になることができます。ただし、現在その会社に勤務している役員や従業員は、監査役になることはできません。

しかし、その会社の業務に関しての知識がない人が監査役になっても、あまり役に立ちません。そのため、多くのケースでは、元役員や元従業員などが監査役になるケースが多い傾向にあります。

なお、監査役には、その会社も元役員や元従業員の「社内監査役」と、その会社に勤務したことがない、もしくは辞めてから10年以上経過している「社外監査役」の2種類があります。監査役会を設置する場合は、半数以上が「社外監査役」である必要があります。

監査役会とは?

監査役会とは、会社法によって設置が義務付けられている会社が設置した監査役のグループのことです。監査役会には、3人以上の監査役を選任する必要があります。そして、そのうちの半数以上は、「社外監査役」で構成されていなければならないことに加え、「常勤監査役」を決めることになっています。

なお、監査役会の職務に関して、次のような規則があります。

・監査報告の作成
・常勤監査役の選定および解職
・監査役の職務の執行状況の報告請求
・会計監査人の解任  など

監査役の選任と任期

監査役は株主総会で選任されます。株主総会で取締役が議案を提出し、過半数が賛成であれば監査役として選任されます。監査役の任期に関しては、原則4年と決められています。ただし、株式公開会社でない場合は、会社の約款に定めるなら最大10年間まで任期を伸ばすことが可能です。また、監査役は、株主総会で辞めさせることもあります。

なお、監査役の人数に関しては、1人以上であれば、特に人数に関しての制限は設けられていません。

監査役を設置するメリットとデメリット

「自分の会社に監査役を設置するか、しないか」で悩んでいるなら、監査役を設置するメリットとデメリットを考えることが助けになります。

【メリット】
会社法で義務付けられていないのに、監査役を設置するなら、次のようなメリットを得られます。

・金融機関などにコンプライアンス意識が高い会社という印象を与えることができる
・息子や娘など若い経営者が、無謀な経営をしないよう監査役が監督する
・企業経験の少ない企業であれが、第三者として監査役からアドバイスを受けられる

【デメリット】
・監査役に報酬を支払う必要がある
・アドバイスを受けられるのはメリットになるが、いつも口出しをされる可能性もある

まとめ

監査役は、会社の経営者が法令違反をして株主に損害を与えないように監視すること人のことです。監視役には、取締役の職務に不正がないかを確認し、取締役や株主総会の出席義務と報告義務、不正行為を差し止めを請求する違法行為差止請求権などの権限を持っています。

監査役は普段どのような仕事をしているのかよく知らなかった方も、会社運営の基本知識として、監査役の役割や権限についてしっかり覚えておきましょう。


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