
こんにちは、株式会社アトラルの代表をしております山下健一です。
今こうして税理士紹介サービスを提供していると、
常務から倒産の危機を知らされた‘あの日’のことをふと思い出す時があります。
「今、我が社は倒産の危機に瀕しています。しかし社員一丸となって…。」
数年前は営業もできなければ簿記の簿の字も分からない田舎者だった私が、
なぜ税理士紹介を始めることになったのか?
それは、この物語を最後まで読んでいただけるとお分かりいただけると思います。
まずは、私が起業を夢見ながら四国から上京し、
当時クライアントが700社以上いる記帳代行会社に入社した時から物語は始まります。
私は簿記が嫌いでした
記帳代行会社で新規営業とコンサルタントの仕事を兼任していたころ、
経営者と税理士の間に入りコミュニケーションのお手伝いをする機会が多々ありました。
当時の私は簿記のことも分からず、領収書の貼り付けや入力など細かい作業が大嫌いでした。
しかし、日々たくさんの社長とお会いし、会社の数字を見ながら聞かせてもらえる経営の話は、
私が経験したことがないことばかりで、とても有意義な時間だったことを覚えています。

新卒で入社した会社が倒産
入社して数年が経ち、私も部下を持ちチームを指揮する立場になっていました。
会社全体の従業数も 300人を超え売上も右肩上がりでどんどん伸びていました。
そんなある日、全体朝礼で常務から全スタッフに衝撃的な事実が知らされます。
常務「今、我が社は倒産の危機に瀕しています。しかし社員一丸となって乗り越えましょう!!」
私 「マスコミでも取り上げられるほどの勢いで業績が伸びている会社が倒産…?」
いったい何が起こっているのか、私には理解できませんでした。
社会経験がまだ数年の私には、もちろん初めての経験でしたし、
これから先どうしたらいいのか正直不満でいっぱいになりました。

憤りを感じるメンバーに代わり、私は部長に詰め寄りました。
私「財務・会計に関する知識も経験も豊富なスタッフがそろっていて、
なぜ倒産の危機を未然に防ぐことができなかったんですか?」
すると、
部長「俺達も最近知らされたんだよ。経営側が攻め(営業)に重点を置きすぎた結果、
守り(会計)がおざなりになったことが原因だと思う…。」
というのです。
呆然としながら自分の机に戻ると、まだ入社間もない部下のM君が私に近寄ってきて
M君「これから会社はどうなるんでしょうか?倒産したら僕たちはどうなるんでしょうか?」
と不安そうに聞いてきました。
「大丈夫だよ…。」私にはそれしか言えませんでした。
それからも、不安になる部下を励ましながらチームは売上に貢献し続けました。
しかし、数ヵ月後…、会社は倒産しました。
給与未払いや返金などの処理に裁判も加わり、社長は自己破産に追い込まれました。
チームリーダーとして会社もチームも守ることができなかった私は、
会計コンサルタントとして自信を失っていました。
そんな時、クライアントでもあった会社の会長が私に再起のチャンスをくれました。
会社の人事業務を遂行しつつ財務・会計を立て直すことを条件に雇用してもらえることになったのです。
その会長から、毎日朝まで続く打合せを通して商売・事業の本質から兵法・帝王学まで学ぶことができました。
こんな私を信頼してくださった会長には、今でも感謝しています。

倒産に直面して学んだこと
倒産に直面し、私は大きな教訓を得ました。
それは売上をあげるという攻めの強化と共に、
税務・資金繰りなど守りの強化なくして企業の継続的な発展は有り得ないということです。
頭では分かっていたことですが、倒産を実際に経験することで守りの重要性を痛感しました。
チャンスをくれたクライアント先で3年間、人事と財務の立て直しに携わることができました。
成長速度の早いベンチャー企業ほど、会計・財務面の整備
(役務提供と売上計上のタイミング、キャッシュフローや収益性の分析管理)
が追いつかくなるものです。
私にチャンスをくれたその会社の社長は、攻めだけに偏っても仕方のない
状況の中でも、守りを強化しリスクヘッジしているその経営手腕が凄いと感じました。
コンサルタントとして社外からだけでなく、
社内からも会計・財務の経験を身につけることができたことは、
私にとって大きな自信になると共に起業への想いがさらに強まっていきました。
そんな折に、知り合いのN社長から財務を任せられる人を紹介して欲しいと頼まれました。
しかし、雇用条件を聞いてみると
「出せても20万円が限界かな…」とのことでした。
正直厳しいと感じました。
財務知識と経験が豊富な人材が、中小企業に入りたいと思うことさえ稀なことです。
しかもその給与条件では…。
多額の報酬を支払い財務に強い人材を雇用することができない中小企業が、
守りを強化するためには良きアドバイザーとなる税理士を見つけるしかありません。

そこで、私は税理士と契約することを勧めました。
すると、
N社長「山下さん、実は税理士とは以前契約してたんだよ。でも相性が合わなかったので解約したんだよね。
結局税理士は誰でも同じのような気がするし、また相性が合わない可能性が高いから…。」
確かに、税理士も人間です。経営者と相性が合わないことは確かに多い。
また仕事に対する姿勢や、(有資格者ではありますが)知識や経験もまったく違います。
その条件が期待値以上でさらに相性も合う税理士となれば、いかに出会うのが難しいか想像するには容易いでしょう。
N社長の考えやニーズを詳しくヒヤリングし、その結果をもとに面識のある税理士の中から
最も条件に合いそうな事務所を紹介させて頂きました。
面白い発見としては、税理士の選定に人事での人材特性の知識と経験が役立ったことです。
顔合わせの時には私も同席し、双方の伝え漏れがないかなどをフォローしました。
紹介後、
N社長「税理士って怖いイメージがあったけど、山下さんが紹介してくれた税理士の先生は
とっても話しやすくて安心したよ。本当にありがとね。」
喜んでもらえてひと安心ではありましたが、私にはまだ不安がありました。
税理士に対する経営者の本音
それは、税理士は企業と契約した瞬間から100%の力を出せるとは限りません。
小さなスレ違いが、大きな不満となり解約に至るケースを見てきた私は、
数ヵ月後に改めてN社長に連絡をしてみました。
案の定
N社長「不満ってほどじゃないんだけど…。」
私「何かありましたか?」
N社長「紹介してもらった税理士の先生は良かったんだけど、毎月の担当者がちょっと…」
話の流れで私から税理士事務所に伝言をしてもらえないかと頼まれました。
税理士への伝え方も会計知識があるもの同士の方がいろいろと都合がよく、「もちろんです」と答えました。
税理士事務所としても、顧客からの本音の声が上がってくることは、
顧客満足を追求する過程で、非常に有意義なことです。
税理士事務所にフォローを入れ担当者を変えてもらった後、再度N社長に連絡をしたところ、
N社長「変えてもらった担当者とはうまくやれそうです。山下さんが仲介してくれたお陰で
やっと売上とマネジメントに集中できる体制が整いましたよ。」
という言葉を頂きました。後日改めてお礼状まで送ってくださいました。
自分のこれまでの経験と知識が役に立ち、社長からも税理士からも喜んでもらえた。
この時、本当に嬉しかった。
できればこれを本業にしたい、そう思えたのもN社長との
一連の経験があったからです。
そして私の背中を押してくれたのが、N社長の紹介で税理士を紹介して欲しいと依頼してくれた社長でした。
「私を含め、税理士に不満を持っている経営者は多いです。
しかし、正直税理士を選ぶ基準が分からない。だから安さや近さぐらいしか判断材料がないんですから、
気が合う税理士や私が求める能力を持っているかなんて、分かるはずがないですよね。」
確かに。世の中には会社を継続・発展させようと必死に動いている経営者は多い。
しかし、税理士との付き合いになれた経営者は多くない。
自分にはそういう方々の役に立てる下地があるではないかと考えるようになりました。
経営者の声から生まれたサービス
2008年6月、会計の知識と経験・そして中立な立場を活かし、税理士紹介相談所の前進となる「会計コンシェルジュサービス」 を起業家支援サービスの一環としてスタートさせました。
経営者・税理士双方から多くの支持を頂けたことがきっかけで、2009年1月税理士紹介を本格的に独立したサービス「税理士紹介相談所」としてスタートさせることにしました。
企業が税理士に不満を抱くケースの多くが相性が合わないという単純な理由です。 次に専門知識、そして仕事への姿勢や説明責任を果たす姿勢などです。
これらを把握するためには、税理士の特性を分析し、コミュニケーションをとり、実際に顧客からフィードバックをもらって、税理士が顧客からどのように見えているのかを確認する作業が必要です。これらを完全に把握した上で相性を踏まえて紹介します。
私は、創業以来この仕組みでサービスを提供することで、共感を得てくださったお客様や税理士事務所の方々、そして想いや実務を共有できる仲間に恵まれました。
お陰さまで、今では起業間もない方から一部上場企業まで年間600社以上のお客様に本サービスを利用していただけるようになりました。
あなたにとって私たちのサービスが、会社を守るために役に立てば、それが何より喜びであり大きな充実感となります。「中小企業の心強い味方でありたい」を理念に、 税理士紹介相談所は今この瞬間も活動しています。

この理念に共感してくださった税理士を、これからもご紹介してまいります。
















